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――ああ、困ったね。
 チラリと俺を見やって、親戚連中は口々にそう言った。
 たらい回しにされる。
 その予感があった。
 でも、そんなことはどうでもよくて、俺の頭の中にあったのは別のこと。

 両親を奪った、あの凄惨な事故は俺のせいじゃない。
 俺の責任じゃない。
 その証拠に、警察も保険会社も俺のことは何も話さなかった。

 なのに、俺の胸はどうしようもなく疼いた。
 居たたまれなくなったその理由は、今も俺を追いつめている。


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