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「お嬢さまは、お部屋におられるのですが…」

 半年ぶりの我が家は、重苦しい空気に支配されていた。

結婚前から妻に仕えている侍女が、どこか遠慮がちに屋敷の奥の部屋まで私を案内した。

妻の部屋といえば、私と共有しているではないか。

身籠ってそれなりに経つから、やや早いが子が生まれたのだろうか。

それなら使用人たちが浮かれていても誰も咎めないだろう。

最も恐ろしいことが起きたのだろうか。

部屋に上がると、最も恐ろしい予想より遥かに恐ろしい光景が広がっていた。
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