奕
「暴れられたらどうしようかと危惧していた我々が拍子抜けするくらいの。でも本当はそうではなかったのでしょうね。書き物に熱中されていると思ったら、旦那さまがお泊まりになりそうなお宿に書簡をお出しになって、お土産をせがまれていたのですから」
「お戻りになった時の郭奉孝さまといったら、馬に積み切れないくらい荷物をお積みになっていて、おかしいくらいでしたよ。あれは、本当に」
龐尚長さまや士元 さまなら、きっと自分で手に入れるよう仰有るような物までお求めになられて、と杏は続けた。
二人は1度しか会ったことのない伯父と、親子ほども年齢が離れた従兄だ。
「お戻りになった時の郭奉孝さまといったら、馬に積み切れないくらい荷物をお積みになっていて、おかしいくらいでしたよ。あれは、本当に」
龐尚長さまや
二人は1度しか会ったことのない伯父と、親子ほども年齢が離れた従兄だ。