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杏②

「母上、父上から書簡が届いていますよ」

 7歳の若さまは、来年から学問所に通うので、簡単な手習いは既に始めておられました。

さすが郭奉孝さまとお嬢さまの血を分けただけあって、優れた頭脳をお持ちです。

読み書きなどは、あっという間に身に付けられてしまいました。

しかしお顔立ちは、お嬢さまが「奉孝さまがお生みになったのではないかしら」と冗談を飛ばすほどお父上に瓜二つであります。

幼いうちは髪の色がお嬢さまに近かったのですが、成長するにしたがってだんだん黒くなられました。

「何て書いてあるかしら。阿奕、読んでくれる?」

「はい! えーと…」
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