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芳婉

 奉孝が出仕したのは建安元年頃で、その送別の晩餐で私の食堂を貸し切りにしたことがあります。

混乱しているとはいえ、格式の高い店は他にありますが、馴染みのあるうちがいいと仰有ってくださいました。

最初の1年か2年は陽翟の家に奥さまと坊やが残っておられましたが、建安2年の暮れか3年の正月に許に呼び寄せられて転居の支度に駆り出されました。

新しい許のお屋敷は住居が広くなっただけでなく、使用人が増えたと姉から聞きました。

曹将軍に軍師として仕える奉孝は従軍することもありましたし、役人は洗沐日と公休日以外は役所に籠っているので、家を空けていることが日常だったようです。

広いお屋敷でなさることは少ないようで多く、子育てと書簡の返信に忙しい毎日をお過ごしになったと姉が懐かしんでおります。
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