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婉容

 結婚したことと、坊やがお生まれになったことで、お二人の心境に変わりがあったのでしょうか。

それはお二人にしか分からないことでありますが、冀州訪問といい、今まで俗世間と縁を絶っていた郭奉孝が妙に活発になったと感じるようになりました。

何せそれまでは彼が何かを為すといえば飲む、打つ、買うの3拍子が揃っていたのですから。

また襄陽の龐家のお嬢さまといえば今恵班けいはんと呼ばれるほど優れた文章をお書きになるけれど、鬼のような形相をしているだの、馬の遠乗りに出たきり3日は帰らないだの、色街に通いつめるだの、豪快な噂に事欠かない方でしたが、実際にお目にかかるとそのようなことはなく、1を言えば10を理解するような賢い方で、ご自分に正直な方だと感じました。

確かに従順ならざる一面もありましたが、かえって退屈しなかったのでしょう。

前に述べた冀州鄴からの帰りも、姉の婉貞によれば大人しく出迎えるような奥さまではありませんでした。
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