婉貞
旦那さまと美帆さまは、よく学問の話をされていました。
そのため夫婦というより学問所の仲間のように見えることもあり、3年経ってもお子に恵まれないのが気がかりでありました。
「婉貞、そのことについてはなるようにしかならないのだから、お前が気に病むことではないよ」
「そうよ、子は天からの授かり物なのよ」
お二人はあまり気に留めていらっしゃらないご様子でしたが、それでも街の噂に上りました。
仲が良すぎるのも問題だの、鬼嫁からは鬼の子しか生まれないから奉孝が生ませていないだの、あることないこと口にする人もいました。
お二人が街にお出になるとき、慎ましい服装で美帆さまなど西域の少年風の出で立ちでしたので、誰も気づかなかったのです。
そのため夫婦というより学問所の仲間のように見えることもあり、3年経ってもお子に恵まれないのが気がかりでありました。
「婉貞、そのことについてはなるようにしかならないのだから、お前が気に病むことではないよ」
「そうよ、子は天からの授かり物なのよ」
お二人はあまり気に留めていらっしゃらないご様子でしたが、それでも街の噂に上りました。
仲が良すぎるのも問題だの、鬼嫁からは鬼の子しか生まれないから奉孝が生ませていないだの、あることないこと口にする人もいました。
お二人が街にお出になるとき、慎ましい服装で美帆さまなど西域の少年風の出で立ちでしたので、誰も気づかなかったのです。