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福井さんとマリちゃん

 鑑定結果が出た。99パーセント以上の確率で僕との親子関係が認められる──そう記してあった。

「よく見ると、20年前のお前に似ていると思うよ」

 従兄はそれきり諸々の手続きをするというので、僕ひとりがマリちゃんの家に戻った。

彼女が病院に持っていった鍵を回した。

2週間近く家を空けていたせいか、暑苦しい空気が広い家を支配していた。

家主が戻ることが無いことを知らずに、動き続ける時計。

片付いた部屋。

寒くなる時期に子どもにつけようと考えていたのか、編みかけのミトンがあった。

整理整頓を欠かさぬマリちゃんにしては珍しく、物が散らかった机の上だった。

一際目についたのは、切手が貼られた大量の封筒。

航空便代も支払ってあるのに、終に投函されなかった。

従兄に宛てたそれらには、膨らみを帯びる程の便箋が入れられていた。

この時、従兄宛ての手紙の封は開けなかったのだが、後になって彼が見せてくれた手紙の1つには、以下のように綴られていた。
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