マリちゃんと川上さん
この『ミスター旦那』の本名は矢内 武彦 さんといい、川上さんより5歳年上のパイロットだった。
航空自衛官だったが、30代半ばで退官して大手航空会社に就職している。
僕が日記と共に所持しているアルバムに卒業ダンスパーティーで正装の2人が映っていることから、おそらく防大卒の幹部だ。
大人しく自衛官を続けていればそれなりの出世は見込めただろうし、最終階級は3等空佐だというので退役時の年齢を鑑みると最速に等しい昇格のスピードだ。
川上さんとの馴れ初めは知らないが、日記を読む限りはかなり古くからの知り合いである。
二人は蜜月をJR田浦駅からバスで20分ばかり行った住宅街にある築年数4半世紀のマンションの2DKで暮らした。
とはいえ矢内さんは職業柄、月の3分の2は家を空けていたようで、川上さんは心置きなく仕事を続けることができたようである。
顔を合わせる機会が限られているからか、2人は親密な間柄だったようで、初めての結婚記念日の頃、川上さんは翌年1月に生まれる予定の子どもを宿していた。
かつていわれなき暴力に女性としての尊厳を踏みにじられた彼女にとって、愛する人の子どもを身籠ったことに並ぶ幸せは無かったろうと推測する。
航空自衛官だったが、30代半ばで退官して大手航空会社に就職している。
僕が日記と共に所持しているアルバムに卒業ダンスパーティーで正装の2人が映っていることから、おそらく防大卒の幹部だ。
大人しく自衛官を続けていればそれなりの出世は見込めただろうし、最終階級は3等空佐だというので退役時の年齢を鑑みると最速に等しい昇格のスピードだ。
川上さんとの馴れ初めは知らないが、日記を読む限りはかなり古くからの知り合いである。
二人は蜜月をJR田浦駅からバスで20分ばかり行った住宅街にある築年数4半世紀のマンションの2DKで暮らした。
とはいえ矢内さんは職業柄、月の3分の2は家を空けていたようで、川上さんは心置きなく仕事を続けることができたようである。
顔を合わせる機会が限られているからか、2人は親密な間柄だったようで、初めての結婚記念日の頃、川上さんは翌年1月に生まれる予定の子どもを宿していた。
かつていわれなき暴力に女性としての尊厳を踏みにじられた彼女にとって、愛する人の子どもを身籠ったことに並ぶ幸せは無かったろうと推測する。