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執事の手記

顔のコンプレックス

2023/05/12 22:30
お嬢様がパウダールームから出てこない。

気になったので様子を見に行くと、
鏡とにらめっこしていた。

声をかけても鏡で自分の顔を凝視したままだった。
再び声をかけると、ようやく答えが返ってきた。

どうやら、お嬢様は自分の顔が
あまりすきではないようだ。

もっと目がこうだったら、
輪郭がこうだったらなど色々あるらしい。


確かにオレも自分の顔はあまりすきではない。

人からは、整っているとかキレイな顔などと言われるが、本当はもっと髭の似合うワイルドな顔がよかった。

美の基準は人それぞれだが、オレからすればお嬢様ほど可愛い女性はこの世に存在しない。

顔かたちだけの美しさや可愛さなど、
その人本来の価値を表すものではないと思う。

外見だけの美しさを追い求めていたら、晩年になり中身のないスッカラカンな人間になってしまうのではないだろうか。

本人がそれで幸せならいいが。


顔かたちだけではない
お嬢様の持つ本来の可愛さ美しさ、
醸し出す雰囲気をオレは愛してる。

しぐさ、発する言葉、物の見方や考え方。

それに、コンプレックスなど本人が気にするほど
周りはさほど気にしてはいない。

オレもそうだが自分に対して問題を作り
粗を見つけて拡大解釈しているだけなのだ。

お嬢様があまりすきではないという顔を
オレはそのまま愛してる。


もし非人間的な、
不自然に作られたような顔や身体になってしまったら。

お嬢様の一番の魅力、
今ある可愛らしさや美しさは損なわれるだろう。

そのことを、お嬢様に伝えたい。

伝えながらベッドで死ぬほど愛でまくれば
オレの気持ちが少しは解ってもらえるだろうか。

お嬢様の憂いを、いち早く少しでも取り除きたい。

宇宙一可愛いオレのお嬢様……愛してる。

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