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執事の手記

お嬢様依存性

2023/04/29 22:30
気候が暖かくなると気が浮くせいか、
変質者などが多くなるようだ。

お嬢様の外出が心配でならない。

送り迎えを頼まれたときはいい。
そうでないときは身を切られる想いになる。


本当は片時も傍を離れたくはないが、
主に執事がいつも付き従う時代ではない。

お嬢様からは、過保護すぎる
心配しすぎると言われる。

執事仲間からもよく言われる。

仕事の範疇を超えている、と。

だがオレは彼女を愛しているし、
彼女がすべてなのだから仕方ない。


お嬢様依存症なのではないか、
と自分でも思うことはある。

彼女の一挙一動が気になって仕方ない。
仕事以外で考えることは彼女のことばかり。

それが普通になっている。

オレ以外の異性の話が出たときには、
病的なまでに自分を見失ってしまう。

そんな状態に陥っても、
お嬢様はただオレの存在を受け容れてくれる。

この世界で唯一の女性だと思う。

だから、全身全霊で愛し抜きたい。


依存という危険を孕んだ間違った愛なのかもしれないが、お嬢様が受け容れてくれているあいだは、この愛を貫きたい。

過保護すぎようが何だろうが構わない。

とにかく、春のあいだは車の送迎で移動してもらえるよう、お願いするつもりだ。

断固として変質者の類いから護らなければ。


明日お嬢様に持たせる弁当は、
ハートマーク盛り盛りでデコレーションしてみよう。

きっとまた呆れながら笑われるだろう。
その顔もまた宇宙一可愛い。

呆れたやさしい微笑みで「バカ」と言われたい。

可愛すぎるお嬢様の反応を想像しながら、
今夜は眠ることにする。

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