こんなはずじゃなかったのに
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「もうお風呂に入って休みたい」
カクテルドレスを身にまとったお嬢様が、気怠げにいった。
今夜はパーティーへ招待され、お嬢様とふたりで出席していたのだ。アルコールも入り、数曲ダンスも踊ったので疲れたのだろう。
オレはお嬢様のドレスを脱がせるため、背中のファスナーに手をかけた。むき出しの白いうなじが目に飛び込んでくる。
このドレスを本当はベッドの上で脱がせたかった。
しかし、お嬢様の様子を見ると今夜は相当に疲れているようだ。
今ベッドに誘っても、すげなく断られるのがオチだった。
お嬢様はそういうところはハッキリしている。
それがオレの好きなところでもあった。
「ありがとう、川島。お風呂わいてるよね?」
「もちろんです、お嬢様」
空いたドレスの隙間から白い背中が覗いている。
その背がオレの手から離れていくのを、名残惜しく感じながらお嬢様をバスルームへ送り出した。
いつものようにバスローブを用意しようとして、ふと気づく。
そういえばお嬢様は、風呂のあとはいつもバスローブ姿だった。
自分はバスローブなど羽織ったこともない。
すぐにはだけるし、なんとなくきちんとしていない感じがして、いつもパジャマを着ている。
だが、お嬢様はバスローブがすきなようだった。
理由を尋ねると、脱ぎ着するのが楽だし肌触りがいいからだといっていた。
お嬢様を抱きしめるとき、バスローブは確かに触り心地はいい。
ふかふかのぬいぐるみを抱いているようだ。
だが男のオレからすると、脱がせる楽しみが今ひとつ少ないように思う。
ボタンだったらひとつひとつはずしながら、お嬢様の反応を楽しめる。下を脱がせる工程もある。
加えて、お嬢様はバスローブの下にブラをつけない。
それも抱いていて気持ちいいのだが、脱がせるという点でやはり楽しみに欠ける気がする。
想像してみる。
お嬢様にオレが選んだ下着をつけさせて、おそろいのパジャマを着させる。色違いでもいい。
そしてそれを剥ぎとる。オレのベッドで。
湯あがりで温まったお嬢様をやさしく抱きしめ包み込む。
オレとベッドは花のような香りにふんわりと包まれる。
お嬢様の髪に、額に、まぶたに、頬に、唇に、愛おしく口づける。柔らかいキスをしながら、ゆっくりひとつずつパジャマのボタンを外す。
「ゃ……川島……」
お嬢様の恥じらうような可愛い声を聞きながら、少しずつ下も脱がせる。
パジャマの下にはオレが選んだ下着が、お嬢様の肌に張りついている。それは脱がさないまま、お嬢様の肌を引きつづき愛でまくる――。
そんな光景を頭に思い描きながら、ひとりニヤけていると遠くから声が聞こえてきた。
「川島ー!バスローブがないー!!」
いけない。
お嬢様のパジャマ姿を想像していて、すっかり用意を忘れていた。こんなことでは、お嬢様にクビを言い渡されてしまう。……絶対に嫌だ。
あわてて清潔なバスローブを届ける。
お嬢様は受け取ったバスローブをさっと優雅に羽織ると、今日は疲れたからもう寝るといって自室へ行ってしまった。
そのまま立ち尽くしていると、お嬢様が戻ってきた。
「おやすみ、川島」
いうとオレの肩に手をかけ、頬に軽いキスをした。
それだけをいうために、わざわざ戻ってきてくれたお嬢様。
愛おしい。狂おしい。
同時にオレは宇宙一しあわせな男なんじゃないかと思える。
頬に触れた柔らかな唇と、ふわりと香った花の匂い。
衝動的に目の前の身体を強く抱きしめたくなった。
だが、お嬢様はオレの腕が動く前に、さっと身をひるがえし自室へと帰ってしまった。
「おやすみなさいませ、お嬢様……」
キスされた頬に手のひらを当てながら、ひとりごちるように返した。
さっきからずっと、お嬢様とおそろいのパジャマで一緒にベッドに入る光景が、頭から離れようとしない。
オレは強行作戦にでることにした。
まずは、おそろいのパジャマを用意する。
下着も用意する。
それをいつ、どこで、どう渡すのか……。
ワインを飲みながら、自室でゆっくりと作戦を練ることにした。
*
作戦実行の日。
お嬢様は、帰宅後すぐにパウダールームへ入った。
手を洗うためだ。
そこでバスルームからいい香りが漂ってくる。
湯を張ったバスタブに、オレがあらかじめエッセンシャルオイルを垂らしておいたからだ。
バスキャンドルに火をともし、花びらも浮かべてある。
好奇心旺盛でキレイ好きなお嬢様のことだ。
必ずバスルームをのぞき込み、入りたくなるに違いない。
「川島、もうお風呂の用意してくれてたの?今日すごく素敵。入っても構わない?」
きた!
「ええ、もちろんです。お嬢様のためにご用意したものですから」
計画通りにお嬢様が動いている。
オレは得体の知れない興奮と、罪悪感とを同時に感じながら次の行動にでた。
お嬢様が脱いだ服を片付け、清潔なバスタオルとバスローブを用意する……というのが今までの習慣だ。
今日はバスローブではなく、オレとおそろいのパジャマを置いておく。下着と一緒に。
お嬢様のスリーサイズは熟知している。
わざわざ測らなくても、身体を抱きしめ撫でていればサイズなどすぐにわかる。
パジャマはオレとのサイズ違い。
オーガニックコットン100%のガーゼ生地だった。
主張しすぎない程度のチェック柄が入っている。
他の着替えは一切、置かない。
お嬢様はオレが選んだ下着をつけて、パジャマを着て出てくるしかない。
「ふ……ふふっ」
思わず声に出して笑ってしまい我にかえった。
こんな姿を見られたら、お嬢様に気持ち悪がられてしまうだろう。……絶対に嫌だ。
緩んだ顔の筋肉を元に戻すと、お嬢様の髪を乾かすためのドライヤーとブラシ、ヘアオイルを取りに向かった。
カクテルドレスを身にまとったお嬢様が、気怠げにいった。
今夜はパーティーへ招待され、お嬢様とふたりで出席していたのだ。アルコールも入り、数曲ダンスも踊ったので疲れたのだろう。
オレはお嬢様のドレスを脱がせるため、背中のファスナーに手をかけた。むき出しの白いうなじが目に飛び込んでくる。
このドレスを本当はベッドの上で脱がせたかった。
しかし、お嬢様の様子を見ると今夜は相当に疲れているようだ。
今ベッドに誘っても、すげなく断られるのがオチだった。
お嬢様はそういうところはハッキリしている。
それがオレの好きなところでもあった。
「ありがとう、川島。お風呂わいてるよね?」
「もちろんです、お嬢様」
空いたドレスの隙間から白い背中が覗いている。
その背がオレの手から離れていくのを、名残惜しく感じながらお嬢様をバスルームへ送り出した。
いつものようにバスローブを用意しようとして、ふと気づく。
そういえばお嬢様は、風呂のあとはいつもバスローブ姿だった。
自分はバスローブなど羽織ったこともない。
すぐにはだけるし、なんとなくきちんとしていない感じがして、いつもパジャマを着ている。
だが、お嬢様はバスローブがすきなようだった。
理由を尋ねると、脱ぎ着するのが楽だし肌触りがいいからだといっていた。
お嬢様を抱きしめるとき、バスローブは確かに触り心地はいい。
ふかふかのぬいぐるみを抱いているようだ。
だが男のオレからすると、脱がせる楽しみが今ひとつ少ないように思う。
ボタンだったらひとつひとつはずしながら、お嬢様の反応を楽しめる。下を脱がせる工程もある。
加えて、お嬢様はバスローブの下にブラをつけない。
それも抱いていて気持ちいいのだが、脱がせるという点でやはり楽しみに欠ける気がする。
想像してみる。
お嬢様にオレが選んだ下着をつけさせて、おそろいのパジャマを着させる。色違いでもいい。
そしてそれを剥ぎとる。オレのベッドで。
湯あがりで温まったお嬢様をやさしく抱きしめ包み込む。
オレとベッドは花のような香りにふんわりと包まれる。
お嬢様の髪に、額に、まぶたに、頬に、唇に、愛おしく口づける。柔らかいキスをしながら、ゆっくりひとつずつパジャマのボタンを外す。
「ゃ……川島……」
お嬢様の恥じらうような可愛い声を聞きながら、少しずつ下も脱がせる。
パジャマの下にはオレが選んだ下着が、お嬢様の肌に張りついている。それは脱がさないまま、お嬢様の肌を引きつづき愛でまくる――。
そんな光景を頭に思い描きながら、ひとりニヤけていると遠くから声が聞こえてきた。
「川島ー!バスローブがないー!!」
いけない。
お嬢様のパジャマ姿を想像していて、すっかり用意を忘れていた。こんなことでは、お嬢様にクビを言い渡されてしまう。……絶対に嫌だ。
あわてて清潔なバスローブを届ける。
お嬢様は受け取ったバスローブをさっと優雅に羽織ると、今日は疲れたからもう寝るといって自室へ行ってしまった。
そのまま立ち尽くしていると、お嬢様が戻ってきた。
「おやすみ、川島」
いうとオレの肩に手をかけ、頬に軽いキスをした。
それだけをいうために、わざわざ戻ってきてくれたお嬢様。
愛おしい。狂おしい。
同時にオレは宇宙一しあわせな男なんじゃないかと思える。
頬に触れた柔らかな唇と、ふわりと香った花の匂い。
衝動的に目の前の身体を強く抱きしめたくなった。
だが、お嬢様はオレの腕が動く前に、さっと身をひるがえし自室へと帰ってしまった。
「おやすみなさいませ、お嬢様……」
キスされた頬に手のひらを当てながら、ひとりごちるように返した。
さっきからずっと、お嬢様とおそろいのパジャマで一緒にベッドに入る光景が、頭から離れようとしない。
オレは強行作戦にでることにした。
まずは、おそろいのパジャマを用意する。
下着も用意する。
それをいつ、どこで、どう渡すのか……。
ワインを飲みながら、自室でゆっくりと作戦を練ることにした。
*
作戦実行の日。
お嬢様は、帰宅後すぐにパウダールームへ入った。
手を洗うためだ。
そこでバスルームからいい香りが漂ってくる。
湯を張ったバスタブに、オレがあらかじめエッセンシャルオイルを垂らしておいたからだ。
バスキャンドルに火をともし、花びらも浮かべてある。
好奇心旺盛でキレイ好きなお嬢様のことだ。
必ずバスルームをのぞき込み、入りたくなるに違いない。
「川島、もうお風呂の用意してくれてたの?今日すごく素敵。入っても構わない?」
きた!
「ええ、もちろんです。お嬢様のためにご用意したものですから」
計画通りにお嬢様が動いている。
オレは得体の知れない興奮と、罪悪感とを同時に感じながら次の行動にでた。
お嬢様が脱いだ服を片付け、清潔なバスタオルとバスローブを用意する……というのが今までの習慣だ。
今日はバスローブではなく、オレとおそろいのパジャマを置いておく。下着と一緒に。
お嬢様のスリーサイズは熟知している。
わざわざ測らなくても、身体を抱きしめ撫でていればサイズなどすぐにわかる。
パジャマはオレとのサイズ違い。
オーガニックコットン100%のガーゼ生地だった。
主張しすぎない程度のチェック柄が入っている。
他の着替えは一切、置かない。
お嬢様はオレが選んだ下着をつけて、パジャマを着て出てくるしかない。
「ふ……ふふっ」
思わず声に出して笑ってしまい我にかえった。
こんな姿を見られたら、お嬢様に気持ち悪がられてしまうだろう。……絶対に嫌だ。
緩んだ顔の筋肉を元に戻すと、お嬢様の髪を乾かすためのドライヤーとブラシ、ヘアオイルを取りに向かった。
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