うみをえがく。

恋人のような甘い触れ合いもないまま色々すっ飛ばして籍を入れちゃった巡と美絵です。
巡が屑のようになってしまってごめんなさい。未成年だと家に戻されちゃうのでまたあの地獄に戻ってしまうから巡も自分の足跡を見つけさせないよう結構必死だったんです。まああの母親なら自分を探すことはしないだろうとは理解していますが、念には念で。警戒心強いんです。
みんな不利益になるようなことは見て見ぬする生き物としか見ていないので、巡にとって美絵こそが唯一の人間であり、愛する海です。
あ、たぶんキスどころか手を繋いだりするまですっごい時間かかると思います。照れちゃうんです。籍入れてるくせにね。これから当分の間は遅れた青春を取り戻していくでしょう。式はいつかやりたくなったら、二人だけでひっそり行われるでしょうね。
お互い自分の知らない相手のことを知りたいけれど、自分の家族のことにはあまり関心はありません。
逃げたり立ち向かったりしながらそれでもこの醜さに溢れて少しの美しさのあるこの世界でふたりはマイペースに『これから』を生きていきます。
なんだかんだおじいちゃんおばあちゃんになるまで死なないでしょうね。
手を取って緩やかに海の中で二人で死んでほしいです。
あとラストなんですけれど、心中させるか何度も迷いましたが今回は純愛を目指していたので必死に止めさせました。いや、ある意味純愛……いやいや、という葛藤。
なんか巡が美絵を自分だけの海にしようと殺そうとしちゃうし、美絵もそれを受け入れる映像が簡単に頭の中でできあがったもので……。それはそれとも考えつつも阻止しました。

夫:海中 巡
妻:海中 美絵

幸せになってね。
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