悠の詩〈第2章〉

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 学校に到着した頃には、太陽はもう建物の彼方へ消えていて、残された光がぼんやりと空の下の方を照らしていた。

 いつもだったら休みの日でも、何かしらの運動部が暗くなるまで活動してるんだけど、今日はどこも休部だとコタ先生は言った。

 野球部の皆と鉢合わせるかもってちょっとドキドキだった…ほっとしてしまった。

 コタ先生は俺を職員玄関から通して、スリッパを出してくれた。そうだ、夏休みだから上履き持って帰ってんだった。

 そして、職員室に寄らずそのまま階段を上がっていく…え、天文部のとこじゃないの? 確かいつも理科室で活動してなかったっけ。

「ふっふーん…今日だけな、特別だぞ?」

 そう言ってコタ先生が開けたのは…普段は誰も立ち入らない、屋上への扉。

「あっ来た来た! お疲れ様…アレッ、柳内くん??」

 扉の音にいち早く気付いて振り返った千晴先生が、俺の姿も認めて目を丸くした。

「え!」

「はる…柳内くん?」

「ほんとだ柳内くんだ! どうしたの? 何で土浦先生と一緒なの??」

「誰、柳内って」

 俺なんて当然知らないだろう、2年だか3年だかの先輩の声を掻き消すように、樹深と由野が歓喜の声を上げてこっちに駆け寄った。

「はる…柳内くん、怪我、その後どうなの…全然会ってなかったからさ、大丈夫かなって」

 樹深が遠慮がちに声を潜めて聞いてきた、由野も心配そうに顔を歪める。

 痛いほど伝わる、二人の気持ち。目を背けたい気持ちは…もう、俺の中には無かった。





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