＃使者は謳う





街がこんなにも煌（きら）めくのは
今日が聖夜だからさ



ごはんがいつもより美味しく感じるのは
今日が聖夜だからさ



今くらいは優しくいようと思えるのは
今日が聖夜だからさ



夜空に向けて鈴の音（ね）が転がる如く
使者（かれ）は高らかに謳う





──聖夜よおめでとう！





次の年の冬も
その次の年も
そのまた次の年も
どうか同じであるように



世界に溢れる祈りという祈りを
自分の胸に閉じ込めて



どこか北の方へ
一晩かけて去っていく



その軌跡（あしあと）は
シャララという旋律として
人々の耳に届くのである


















※よければこちらもどうぞ
→【12月24日の灯り】あとがき





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