悠の詩〈第2章〉

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 夏休みがもうすぐ終わろうというある日、夕飯が出来上がるのを自分の部屋で漫画を読みながら待っていた俺。

 読む物が無くなってあくびをする、ごはんはまだ出来ない。

 まだかよぉ~と思いながらベッドへダイブした時、RRR、RRR、家の電話が鳴った。

 2階の、階段を上がった所に子機を壁掛けしてあるけど、どうせすぐにかあちゃんが取るだろうと思って、ベッドに寝っ転がったまま動かずにいた。

 案の定すぐにコール音が止んで、「はい、柳内です」とかあちゃんのでかい声が聞こえた。

 しばらく間が空く。樹深のお母さんかな、だとしたら長電話になって、夕飯のお預けを食らっちまう。と思ったら、

「春海ーっ、電話だよ!」

 階段のすぐ下で俺を呼ぶ声。

 かあちゃん、いい加減子機に転送するやり方を覚えてくれよ。2階に設置してる意味無ぇ、と思いながら角度のある階段を降りた。

「誰?」

 受話器を受け取りながら聞くと、かあちゃんはあやしい笑いを浮かべながら言った。

「あんたにも掛かってくるもんなんだねぇ?
 お、ん、な、の、こ。
 春海くんいらっしゃいますかー、だって。くふふ」





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