不器用なので、子供の頃に母から教えてもらった方法でしか、みじん切りができません。
薄切りで切った後に、細かくなるまで何回も包丁で刻む方法です。
これがとても時間がかかるんです。
今日もハンバーグを作るために、たまねぎのみじん切りをしていました。
このみじん切りさえ早く終われば、ハンバーグも爆速で作れるのになあと。かといって、フードプロセッサーを洗うのもまた面倒くさそうな。どうせ包丁で切るほうが楽だとなって、お蔵入りするはずです。

みじん切りを教えてもらったのは、キャンプの最中でした。
私は昔っから母の手伝いが嫌いで、母の隣で料理をしたがりませんでした。
ああしなさい、こうしなさい、こう切りなさい、その切り方はダメだ……、とうるさいんです。
こっちも分からんなりに、不器用なりに、頑張ってやってるんだから、あれこれ言わんでほしい、最後まで見守っててほしい……と今なら言語化できるんですけど、子供時代はそれが言えなくて、イライラして、泣きそうになっていました。
今も母の隣で料理はしたくありません。実家のキッチンにも立ちたくありません。
でも、みじん切りを教えてもらった時は、そういうのがなかった気がします。
ポケモンの柄が入った子供用の包丁で、こまかーくなるまで刻みました。
母から教えてもらったタイミングと状況を覚えているのは、このみじん切りだけです。

みじん切りをしていると、毎回思い出します。ああ、ポケモンの包丁使ってたなあって。キャンプ、楽しかったなあって。
面倒くさい工程ではあるんですが、それなりにいい思い出もあるのが、みじん切りです。