4章
帰らなくていいのかとドロシーに尋ねられた。
あれから、寧子はドロシーの家でじっとしていた。
「私が帰らなければ、何かあったのだとお父様は考えるでしょう。昭晶様が行方不明となれば、王族の誰かが探します。まず疑われるのは夜鷹と私。何かあったのだとお父様に伝えるには、こうするのがいいはずです」
「そうですね。夜の国に行ったなんて話、信じる者もいないでショウから」
寧子は賢いですね、とドロシーに褒められる。それで満足するような寧子ではない。
賢くならなければならないのだ。寧子はこの年齢で夜廻で日頃の事案をまとめ、解決させるために人を動かす立場にいる。父から素質を認められ、仕事を任されているのだ。常に何かを考えている。
夜鷹はきっと、もう一度、星宮に戻るはずだ。
ドロシーの言っていたアルテリアは相当、力のあるエルフだと感じた。だから、夜鷹はきっとすぐに昭晶が帰って来ると思うはず。
そうなればいいのだが、夜鷹の話では、昭晶は自ら夜の国へ行ったという。寧子も昭晶の境遇を知らないわけではない。望まない結婚が決まっていることは夜鷹から聞いた。
夜鷹も疑っていたが、寧子もまた、昭晶が素直にこちらに戻ってくるとは思っていない。
そうだとしたら、王族はどう動くだろうか。まず、昭晶を逃がしたのではないかと、自分たちを疑うはずだ。
昭晶と同年代で、昭晶と対等に会話できる存在は今のところ、夜鷹と寧子のみ。彼に同情して逃がしたのではないかと真っ先に疑われる。昭晶を探すのと同時に、自分たちが探される。
万が一、夜鷹に何かあったとしても、真実を知っている寧子とドロシーが動けるなら、夜鷹も昭晶も救うことができるはず。ならば王族に捕まるわけにはいかない。
「先生。夜の国の話は、夜警とまじない師だけが知ればいいという話でしたよね」
「ハイ。一般の方々にはお伝えできません。存在を知らないほうが都合がいいのデス」
「その夜警というのは、夜廻と似たような組織ですか」
「そうデスね。夜の街の見守り、事案対処を行う自治組織のことデス。夜廻も似たようなものデス」
「でしたら、まず今起こっていることは、お父様に話すべきです」
まじないの完成を待っていては遅い。
きっと、ここで待機している間にも、誰かが自分たちを探しに父の元へ行くはずだ。なんとかして彼らの目を盗み、父の元へ行かなければならない。
動けるのは夜だ。貴人は夜になると屋敷にこもる。彼らは夜を恐れ、外に出ない。その時になるまで、ここに留まることにした。
あれから、寧子はドロシーの家でじっとしていた。
「私が帰らなければ、何かあったのだとお父様は考えるでしょう。昭晶様が行方不明となれば、王族の誰かが探します。まず疑われるのは夜鷹と私。何かあったのだとお父様に伝えるには、こうするのがいいはずです」
「そうですね。夜の国に行ったなんて話、信じる者もいないでショウから」
寧子は賢いですね、とドロシーに褒められる。それで満足するような寧子ではない。
賢くならなければならないのだ。寧子はこの年齢で夜廻で日頃の事案をまとめ、解決させるために人を動かす立場にいる。父から素質を認められ、仕事を任されているのだ。常に何かを考えている。
夜鷹はきっと、もう一度、星宮に戻るはずだ。
ドロシーの言っていたアルテリアは相当、力のあるエルフだと感じた。だから、夜鷹はきっとすぐに昭晶が帰って来ると思うはず。
そうなればいいのだが、夜鷹の話では、昭晶は自ら夜の国へ行ったという。寧子も昭晶の境遇を知らないわけではない。望まない結婚が決まっていることは夜鷹から聞いた。
夜鷹も疑っていたが、寧子もまた、昭晶が素直にこちらに戻ってくるとは思っていない。
そうだとしたら、王族はどう動くだろうか。まず、昭晶を逃がしたのではないかと、自分たちを疑うはずだ。
昭晶と同年代で、昭晶と対等に会話できる存在は今のところ、夜鷹と寧子のみ。彼に同情して逃がしたのではないかと真っ先に疑われる。昭晶を探すのと同時に、自分たちが探される。
万が一、夜鷹に何かあったとしても、真実を知っている寧子とドロシーが動けるなら、夜鷹も昭晶も救うことができるはず。ならば王族に捕まるわけにはいかない。
「先生。夜の国の話は、夜警とまじない師だけが知ればいいという話でしたよね」
「ハイ。一般の方々にはお伝えできません。存在を知らないほうが都合がいいのデス」
「その夜警というのは、夜廻と似たような組織ですか」
「そうデスね。夜の街の見守り、事案対処を行う自治組織のことデス。夜廻も似たようなものデス」
「でしたら、まず今起こっていることは、お父様に話すべきです」
まじないの完成を待っていては遅い。
きっと、ここで待機している間にも、誰かが自分たちを探しに父の元へ行くはずだ。なんとかして彼らの目を盗み、父の元へ行かなければならない。
動けるのは夜だ。貴人は夜になると屋敷にこもる。彼らは夜を恐れ、外に出ない。その時になるまで、ここに留まることにした。