5章 浅葱智哉

 朝起きて、紺野さんの朝食と昼食を用意して、余りを弁当箱につめて、仕事して、帰って、庭の世話をして、夕食を作って、紺野さんと食べて、お風呂に入って、リリちゃんと越智さんの配信を見て、紺野さんにおやすみと言って寝る。
 その繰り返しの生活が、人生の中で一番好きなもの。
 祖父母の愛する庭、両親の愛する家具、それから僕が愛する生活。
 祖父母の代からはじまった、好きがつまった家。ここに、これからも、僕は大切なものを詰め込んでいくだろう。
 がらんどうならば、詰め込んだらいいのだ。
 自分の信じる、好きなものを。

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