2章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「……」
『お待たせしました。レオナ先輩』
ラウンジからまっすぐ移動し植物園前。そこにはすでにレオナが到着していた。
日中にレオナから時間を空けておけと言われ指定の時間と場所を伝えられていたのだ。
『で、何の用ですか?寒いし眠いんで手短にお願いします』
「それには同感だ。ただいちいちメッセージでしてられる話でもねぇからな…お前、俺に何をした。そして何故あんなところにいた」
『あんなところとは?』
「ウチの寮だよ。俺らの邪魔しに来やがって」
先日のマジフト大会での騒動についてレオナは問い詰めた。
あのとき[#da=1#]のことを思い切り睨んでいたので何か言われるだろうという自覚はあり、嘘をつく理由もないので正直に話した。
『学園長と取引したんで』
「は?取引ってなんだ。お前についてか」
『巻き込まれを食らったので、協力する代わりに欲しい物をお願いしただけですよ』
「……とりあえずお前のユニーク魔法についても説明してもらおうじゃねぇか」
『…他言は控えてくださいね』
今更この当事者に隠しても仕方ないだろうということで、[#da=1#]は昼休みの時と同じ説明をレオナにした。
説明を進めていくうちに不機嫌そうだったレオナの表情がさらに険しくなる。
「グルル…物欲にかまけて面倒事に首を突っ込んだあげく、俺のブロットを肩代わりしてぶっ倒れた?しかもジャックに運ばれただと?」
『魔法の仕様上ブロットじゃなくてもぶっ倒れてました。みんながいたしあれが最善最速だと考えての行動ですよ。ジャックは…想定外でしたがおかげで協力してもらえることになりました』
「ほらバレてんじゃねぇかよ…。そしてその"みんな"がいるから敵陣でぶっ倒れても平気だと。下手すれば数日無防備な状態になっても安全の保証があると言えるんだな?あいつらも約束を守るとも言い切れないうえで」
さすがに[#da=1#]も言葉に詰まる。たしかにあの日は博打が過ぎた。
精度が高いとはいえ確実にバレない保証があるわけでもないし、ブロットは例外で使用者にダメージがあるかもしれない。
それでも…、
『…それでも借りを返さず止める手段も持っているのに、命の危険があった先輩を見捨てて逃げるなんてできませんでした。最悪のことを考えたら後味悪すぎるでしょう』
レオナは呆然としたが、少しの間を空けてから舌打ちをした。
「……今回は運が良かったようだが、もうあんな自滅行為はやめとけ」
『もうオーバーブロットやあの魔法を使うほどの場面に遭遇することは無いでしょうから大丈夫ですよ』
返答を聞いたレオナは不機嫌そうに「話は終わりだ。帰るぞ」と付け加え歩き出したのでついていく。
鏡舎に着いたところで[#da=1#]がふと思い出したことをレオナに問いかけた。
『そういえばあの時…先輩は記憶というか、自我はあったんですか?』
「…いや…半々といった具合だな」
それがどうしたと言うので[#da=1#]が反撃を負った時のことを説明した。
説明し終えるとレオナが眉間に皺を寄せながらズンズンと[#da=1#]に近づく。
「…どこを負傷した」
『加減無しの"王者の咆哮"なんてもうダメかと思いました。でも跡も残らないくらいのかすり傷レベルですよ。先輩のおかげです』
「…俺の?俺がお前に攻撃したんだろう」
『先輩が一瞬発動を止めてくれたので。だから自我があったのかなと』
「そうか……どうやら国の習慣が嫌でも身に染みついていたらしい」
少し考えたレオナはそうこぼした。
なんでも夕焼けの草原の国には特有の文化があるらしい。
レオナは無意識にその文化から行動に出たのではないか、ということだ。
『先輩に根付いた国の文化、こちらの情報…それらが揃ってなかったらと思うとゾっとしちゃいますね、ほんとに運がいいや』
「それなら尚更面倒事には首を突っ込むな。またそんな調子の良いことは起こらねぇぞ。…卒業したいんだろ」
『もちろん卒業はしたいです。そのためにもレオナ先輩には今後しっかりサポートしてもらうんで。特に喧嘩っ早い生徒の多いサバナクローのカバーはしてほしいですね』
「そんなこと前からやってんだよ…」
『え』
「そんなこと前からやっている」…たしかにそう言った。自然豊かな夕焼けの草原出身のライオンほどではないが[#da=1#]も猫の獣人だ。聴力には自信がある。
『前からっていつからなんですか』
「知らねぇよ。とりあえず24時間どこでも寮生全員を見張ってられるわけじゃねぇんだ。あんま調子乗ってヘマすんじゃねぇぞ。まぁジャックを味方につけたのはいい人選かもな」
レオナは「お前もさっさと寝ろ。眠くてたまらねぇ」と言って相手が言い返す間も無くサバナクロー寮への鏡を通って行ってしまった。