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Short Episode


「気分転換としてハルコタンに花見に行こう!」

そう唐突に切り出したのは誰だったか
……ヒューイだ、アフィンづてだが確実にヒューイだ、ヒューイに違いない。
そう、全てヒューイが言い出した事なのだ
それなのに、あぁそれなのに!

「なんで俺が実行委員に選ばれなきゃいけない!
というかお前達にはタイムアタックくらいしか考えつかないのか!!
花見はどうした!花見は!
もうこの内容花見全然関係ないだろうが!!!
ただ戦闘したいだけだろうが!!
この予算見たか!!完全にハルコタンぶっ壊す気だぞ!この脳筋コンビは!」

「うぉ、相棒が珍しくキレてる」

「これでキレない奴がいるか!
こんなの喜ぶのはヒューイとクラリスクレイスとマトイと俺くらいだぞ!」

「お前も喜ぶんかい!」

「しかしいい案だと思ったのだが!
花見もできて、ダーカーも消せる!
そしてお互いの戦い方!技量を知ることが出来るんだぞ!
一石二鳥どころか一石三鳥だ!」

「そうだそうだ!でも実行委員が私たちだと私たちが参加出来ないからな!
だから貴様を呼んだのだ!
頼んだぞ!貴様!」

「よし、脳筋2人はそこへ並べ
俺がしっかり説教してやる、5時間ほど」

「まぁまぁ落ち着いてくださいフィスウル・ユリス
彼らだって自分が楽しいと思うことを企画にあげているのですから」

「カスラ…」

「いいことを言うじゃないか!カスラ!だそうだぞ貴様」

「まぁ今回の企画には自分も反対の意見ですがね」

「ええっ!」

「だろうな」

「れ、レギアスまで…」

「やっぱ花見ならダーカー無視でどんちゃん騒ぎたいしねぇ」

「マリアまでぇ…」

「という訳だ、わかったな脳筋」

「いつも思うけど普段キレない分、キレると容赦ないよな相棒…」

「相手は一応六芒均衡なんだけどね…」

「エコー、こいつの肝の据わり方は異常だから気にするな」

「そうね、でも私も初めて見たわ…彼が本気で怒鳴るところ
普段まず怒らない彼を怒らせたんだもの、ある意味あの二人は天才よ」

「クーナ…それ褒めてないよな?
貶されている気しかしないんだが」

「当たり前よ、貶してるんだから」

「ぐっ!その言葉は心に刺さるぞ!」

「少しその口閉じていてくれないだろうか…ヒューイ」

「す、すまない」

「やべーよ相棒のやつ
ひと睨みでヒューイさん黙らせちまった…」

…なぜこんなことになっているかと言うと話はつい三時間前まで遡らなければならない。
というか今から時間遡行していいだろうか
いいだろう?ダメだとは言わせんぞ畜生。

俺はこの結果を変えたいんだ…今すぐ戻って素知らぬふりをしたい。
何も見なかったことにしたい。
出会った瞬間速攻逃げ出したい!
ナベリウスの凍土エリアでイエーデたちと戯れているのもいいかもしれない。
こいつら相手の面倒事はもうコリゴリだ……。

「相棒…わかってると思うけどさ」

「…あぁ、今すぐ三時間前まで戻ってこの結果を変えてくる
大丈夫だ次元収束はきちんと行われるはずだからな、俺もそこまで馬鹿じゃない」

「いや落ち着け相棒」

「これが落ち着いていられるかぁ!」

「ど、どうしようヒューイ…キャラ崩壊するくらい怒っているぞ」

「安心しろクラリスクレイス!俺が!説得してみせる!」

「……ほう?…誰を、どうやって?」

「………すまんやっぱり無理だ」

「ヒューーーイーーー!」

その時アフィンは俺の後ろに般若のごとき仮面(ペルソナ)の姿を見たと教えてくれた。
今思うと半分くらい仮面入ってたとおもうが……そんなこと今はどうだっていい。
どの道このまま戻って見て見ぬふりをしたところでヒューイとクラリスクレイスに引きずられていくのだろうから。

話が逸れた、三時間前の話をしよう。

三時間前アフィンから「なんか大変なことが起こったらしい」とヒューイとクラリスクレイスの元に連れていかれ。
その2人に半ば引きずられるように会議室に連れてこられ、何事かと思っていたら若干やつれたカスラとゼノ、ついでにクーナ。
そして呆れた様子のレギアスとマリアという六芒均衡総出迎えに空いた口が塞がらず、
挙句「この件、我々にはどうしようもできない故に守護輝士(ガーディアン)たる君に頼むしかなかった」とレギアス直々に頭を下げられた上にとんでもなく分厚い計画書を渡され、それをじっくり読み漁った。
以上だ。

ついでに言うとアフィンは勝手についてきたしエコーは何故かゼノの隣にいた。


これは俺の言い分だが……。

「俺を便利屋かなにかと勘違いしてないか?
……やるけどな」

「やるんだな……流石頼まれたら断らない相棒なだけある」

「そもそもクラリスクレイスはともかく、ヒューイ……きちんと真面目に考えてるはずのあんたが何故……」

「それが楽しいと思ったからだ!」

「聞いて損した、仕方ないから話を戻そう
今回はハルコタンで花見をしたいということだったな」

「そうだよ、いつも気を張ってるアークスたちにねぎらいも兼ねてね」

「ウルクたちは?」

「楽しそうだからって企画の方に参加してるのさ
もう少ししたら来ると思うよ」

「分かった、なら内容なんだが
ハルコタンで花見をするというのなら原住民との話が必要だ
あまりぞろぞろ向かっても不信感を与えるだけだからな
これは仕方が無いから俺が行ってくる
場所取りに関してはその際白の民と話し合おう」

「頼んだよ」

「食料や飲み物などについてはそっちに任せても大丈夫か?」

「あぁ、それはこちらの方でなんとかしよう」

「よし、それならあとは敵か……
一時的にならエリアを区切ってバリアをはるのも手だがな……」

「ならさ、ヒューイとクラリスクレイスに任せちまえば?」

「ヒューイはともかくクラリスクレイスに任せたら予算がかさむ」

「私への信用なさすぎじゃないか!!?」

「それに戦うこと以外にも楽しいことがあるということも教えておきたいからな…仕方がないがこれも俺が担当しよう」

「貴様……私の事を考えてくれていたのか…」

「……実際のところは?」(コソッ)

「最近ブーストでレアドロ率上がっているから今のうちにクラスのレベル上げのついでに赤箱拾おうと……」

「相棒……」

「とりあえず大体のことは決まったし
1回ハルコタンに行ってみましょう」

「そうだな、それがいい」

クーナがパンと手を叩く。
それに呼応するように各々ハルコタンへ向かう準備を進めるのだった。

この後俺は自分の勘が働かなかったことを酷く後悔することになる………………。
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