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モブ視点の白夜叉〈140字〉

2020/11/24 20:29
今まさに自分の魂を狩ろうとしている夜叉は、泥にまみれた青臭い子どもであった。血を浴びる夜叉の正体なんて知りたくもない、知りたくなかった。──はやく、ころせ。白夜叉は刀を大きく振り上げた。今にも泣き出しそうな青年ともう二度と会えない息子の面影が、死に際になって、どうしてか重なった。

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