愛の口付け
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
僕には恋仲がいる。
「トシ、金平糖くれ!」
「ねえよ」
「え!?」
「いつも持ってるわけねえだろ」
「えええ!?」
その恋仲とは、この目の前で落ち込んでいるほたるちゃんだ。
「金平糖…」
ああ、シューンとしているほたるちゃんも可愛いなあ。
…じゃ、なくて。
「ったく…ほらよ」
「え!? 持ってんじゃん馬鹿ト…下さいお願いします!」
「まったくてめえは…ただし、だ」
「ただし?」
「俺のことをトシって呼ぶんじゃない」
「え、なんで!? 歳三なんだからトシでいいじゃん!」
「よくねえよ…俺の命が危ねえんだよ…」
土方さんがチラリと僕を見て焦った顔をしている。
あれ? そんなに顔に出てるかな?
…この嫉妬心が。
「ちぇー。 じゃあ土方って呼ぶ」
「それでも呼び捨てかよ…」
そう言いつつ土方さんはほたるちゃんに金平糖を手渡す。
「ひょー! ありがと、トシ!」
「「え」」
僕まで思わず声を出してしまった。
「あ、沖田! いたの?(ポリポリ)」
いたの、って。
愛する恋仲に向かっていたの、って。
「ずっといたよ?」
「そうなの? あ、ねえねえ、トシに金平糖もらったの!(ポリポリ)」
そもそもさあ。
なんで僕は『沖田』って苗字呼びで、土方さんは名前呼び?
ほたるちゃんって、
「土方さんが好きなの?」
「…はっ?(ガリッ) 」
…あれ?
もしかして…声に出てた?
「え、ちょ、おき」
「僕のこと、名前で呼んでよ」
溜めこんでいた思いは留まることはない。
どうしちゃったんだろう、僕。
「え!? そ、それは、」
口ごもるほたるちゃん。
「…もういいや」
何故か僕はイライラしてしまい、2人の前を後にした。
「あー…もう…」
やんなっちゃうなあ。
僕はこんなに君のことが好きなのに、両想いのはずなのに。
「ほたるちゃんって、ほんとに僕のこと好きなのかなあ…」
もう僕なんかじゃなくて、土方さんが好きなのかなあ…
…あ、まずい、殺意しか湧いてこない。
「やだなあ…」
ほたるちゃんが他の人のものになってしまうのは、絶対に。