DEAR MY SWEET FOOL
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美猫のお気に入りであるプルメリアの入浴剤の香りに満たされた浴室で、互いの身体を清めあった。
慣れないながらも一生懸命洗う美猫に対し、手先の器用な無一郎は手慣れた様子で、
「おいで、美猫も洗ってあげる」
スポンジにボディソープをたっぷりと泡立てて、美猫を招く。
無一郎の洗い方は程よい力加減で心地よく、手足の指のあいだまで丁寧に洗ってくれた。
初めて好きな人の身体を洗う行為に緊張して、ただ一生懸命がむしゃらに洗っていた美猫は、あれで大丈夫だったのかと不安になるくらい無一郎は上手だった。
洗髪はもっと落ち着いてやろうと心に決めた。
そんな美猫の頬を無一郎がごく優しい手つきで撫でる。
「次は髪を洗おうか」
蕩けそうな甘い笑みを浮かべて無一郎が囁く。
その瞬間、じわっと頬を真っ赤に染めて美猫は俯き、そっと頷いた。
無一郎の笑顔が何だかとっても優しくて、色っぽくて、そして多幸感に満ちていて、直視できなかったのだ。
「可愛いね、美猫」
ちゅっとリップノイズをたてて無一郎の唇が美猫のおでこに触れる。
「無一郎くんたら⋯⋯あ、じゃなくて、ええと」
「美猫。もういいよ」
「え?」
「
「あ⋯」
甘い眼差しで此方を見つめて無一郎が微笑う。その笑顔はまるで我が子の悪戯を見守る父親のように優しく、慈しみに満ちていて、これ以上嘘がつけなくなった美猫は全てを白状すことにした。
洗髪を終えて無一郎が美猫を膝に乗せ、背後から抱きしめる形で湯船に浸かる。
濡れた髪の隙間から見える年齢の割に丸い頬も、小さな耳も、どちらも真っ赤に火照っている。
無一郎の住むマンションの浴室のバスタブは広く、二人で入っても余裕があった。
それでも、漸く想いの通い合った彼女に触れていたくて、片時も離れたくなくて、無一郎は恥ずかしがる美猫を捕まえて、今の形に落ち着いたのだ。
「今さら何恥ずかしがってるの?もっとえっちな事したのに」
小さくもがく美猫を、身動きができないようにぎゅっと抱きしめて、甘い声音で耳元に囁く。
美猫はじわりと更に頬を染めると、恨めしげにじとりと此方を睨み上げてくる。
だけど、困ったようにハの字に下がった眉と、長い睫毛に縁取られた黒目がちの大きな瞳がうるうると涙ぐんでおり、その表情が何とも愛らしくて迫力が一切ない。
「もぉ、いじわるしないで」
「君が可愛いのがいけないんだよ」
「何それ⋯」
やがて諦めたのか、美猫は無一郎の腕のなかに大人しく収まった。
そうしてぽつぽつと語り出す。
「友達がね、男の人は小悪魔的な女性に惹かれるって教えてくれたの。私⋯どうしても無一郎くんに振り向いてほしくて」
つまり美猫は、自身で考えついた“悪い女”像を必死に演じていただけだったのだ。
必要以上に距離が近かったのは無一郎だけだったことも、これで辻褄が合う。
肌を露出していたのも、余裕なふりも、呼び捨ても。
美猫のなかで精いっぱい考えた悪いこと。
ほんとうにーーどこまで可愛いければ気が済むの。
ぎゅうっと美猫を抱き締めて、顎に手を掛け此方を向かせると、無一郎は美猫に口付けた。
