DEAR MY SWEET FOOL
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がつがつと突き上げる激しい動きにも、必死になって耐える美猫の姿が、愛らしくて愛おしい。
もっと気遣って優しくしてやりたいのに、もっと甘やかしたいのに、止まらない。
ーー彼女が欲しい。もっと⋯⋯美猫が欲しくて堪らない。
「むぃ、ちろ⋯くん」
掠れた甘い声が、無一郎を呼んだ。
「⋯⋯何?美猫」
「私⋯も、だめ⋯⋯」
「いいよ」
美猫の言わんとする事を察した無一郎は、手指を絡めた手をしっかりと握り込んだ。
「一緒にいこう」
美猫の瞳をまっすぐに見つめて無一郎が言うと、美猫が首を横に振った。
「だめ⋯だよ」
あまりにも悲しげに言うので、無一郎はいったん腰の動きを止める。
「なんで?」
「だって、ゴムしてないもん⋯このままだと、子供ができちゃうよ?」
潤んだ瞳が窺うように無一郎の瞳を見上げた。しかし無一郎の中に迷いなど一切ない。
「僕は欲しい。君との子供」
はっきりと告げれば、美猫は驚いたように瞳を丸く見開いた。
「美猫はいや?」
悲しげに曇る声色に気付いたのか美猫はハッとして、必死に首を横に振る。
「そんなワケないっ」
「じゃあ結婚しよう」
「けっこ⋯⋯ええぇっ!?」
「僕との結婚はいや?」
「そんなワケないっ!⋯⋯でも」
迷い俯く彼女の半ば伏せられた瞳には、憂いの光が宿っていた。
だが、ここで逃がすつもりはない。
「どうしたの?」
優しげに問い掛けながらも、その瞳は鋭く美猫を捉えて決して離さなかった。
もし此処で、この期に及んで有一郎の名を出すようならば、容赦はしない。
このまま無理矢理にでも犯して、孕ませてやる。
しかしそんな不穏な決意は次の瞬間彼女の唇から零れた言葉に、掻き消された。
「無一郎くんは、私でいいの?」
完全に拍子抜けした無一郎は、安堵の息を吐く。
「なんだ、そんなことを心配してたの?」
「そんなことじゃないもん。一番大事なことだよ?」
不安げに見上げてくるその表情が、堪らなく愛らしく、愛おしくて、無一郎は美猫をそっと抱き締めた。
抱き返してくる腕は、細くて頼りない。そんな腕で、必死にしがみついてくる。
その力は非力だが、精一杯の力を込めているのが分かる。
腕の中に感じる温もりが、疑いようのない想いを伝えてくれているようでーー
無一郎は仄かに頬を火照らせて、多幸感に満ちた微笑みを浮かべた。
「美猫」
「うん?」
「愛してる。そのままの君がいいんだ。言いたいことを言って、したいことをして、隣で笑ってくれればいい。だからーー」
静かに涙を流す美猫の頬を両手で挟んで、まっすぐに瞳を覗き込んだ。
「俺と結婚しよう」
その声音は力強く、静まり返った部屋へ響いた。
ゆっくりと頷いた彼女が、無一郎のおでこにこつんと自らのそれをあてた。
思わずはっとするほどの、とびきり綺麗な微笑みが窓灯りに照らされていた。
まるで吸い寄せられるように、二人はそのままゆっくりと唇を触れ合わせた。
