DEAR MY SWEET FOOL
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無一郎の腰が僅かに動き、美猫の耳元で熱っぽい吐息とともに甘い声音で無一郎が囁く。
「⋯動くよ、美猫」
しかし美猫は心も身体も準備がまだできていない。
先程に見た光景が忘れられないのだ。
しっかりと屹立する無一郎のそれは赤黒く僅かに脈打っていて、その暴力的なビジュアルに視覚が犯され恐怖から目眩がした。
それが今、美猫の中にある。下腹部を容赦なく圧迫して苦しくて、少しでも動かれると響くような痛みを感じる。
こんな状態でもし激しくされたらーー恐怖から涙が滲んだ。
「美猫?」
いつまでも返事をしない美猫に、訝しんだ無一郎が声を掛ける。
美猫は恐怖を少しでも紛らわせるようにぎゅっとシーツを掴んで、無一郎から隠すように顔を埋めて。
「待って⋯もう少し、だけ⋯」
「⋯⋯⋯⋯」
縋るような思いで口にした言葉に、無一郎は口を閉ざした。
美猫にとっては
「いつまで」
「⋯え?」
「いつまで待てばいい?」
最初は責められているのかと感じた。だが、それは違った。
無一郎は背後から美猫をぎゅうっと抱き締めた。
「もううんざりだ。見ているだけなのも、すぐそばに君はいるのに、手の届かないこの距離感も⋯⋯!」
酷く苦しそうな声色に胸が締め付けられて、思わず振り向く美猫。
その唇を、無一郎のそれが塞ぐ。
すかさず舌が捩じ込まれ、それに美猫の舌も絡め取られる。
それは先程までの絶妙な強弱や緩急をつけた優しいキスではない。
無一郎らしくない、感情の全てをぶつけてくるような、余裕のない荒々しいキスだ。
酷く乱暴なのに不思議と恐怖を感じなかった。
寧ろ胸が詰まって、美猫は
暫くは貪るように激しく口付けて、無一郎がゆっくりと離れた。
「あ⋯」
仄かな寂しさを感じたのも束の間、
「手に入らないなら壊してやる」
鋭い瞳がまっすぐに美猫を射抜いた。低い声音で宣告する無一郎は、平生の中性的な雰囲気はなく、完全に男の顔をしていた。
だが、美猫は気付いてしまった。
僅かな表情の変化だが、辛そうに歪んだ目元。淡い碧色の瞳はその奥底に、強い“葛藤”が垣間見えた。
その“葛藤”は、恐らく美猫のためのものでーー
そんな美猫の片頬を撫でながら、無一郎が囁く。
「君が有一郎を想っていても関係ない。これで君はーー」
少し骨張った長い指が、大きな手のひらが、ゆっくりと美猫の下腹部を撫で付ける。
「もう諦めて、僕のものになりなよ」
そう耳元に囁かれたと同時だった。
無一郎のものが、身体の中を抉るように貫いて、最奥を激しく突き上げた。
「ああっ!!」
堪らず悲鳴を上げる美猫を無一郎は辛そうに見下ろしていたが、決して律動を止めなかった。
「すぐに
半ば独り言のように呟いて、美猫の感じる所を擦るように腰を動かす。
その時、美猫が泣きながら叫んだ。
「やだ、こんなの⋯いやぁ!顔が見たい⋯っ!顔を見せて⋯⋯
