子猫のふりして虎は笑む
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※柱稽古編一話の不死川兄と伊黒さんの任務に無一郎くんと那由朶さんが同行している内容な為、セリフ等違いがあります。
子猫のふりして虎は笑む
天守閣の天辺まであと少し、不死川さんの声を背に無一郎くんと飛びてて見れば。
『…凄い、数…。』
「全く、ぞろぞろとよく集まった物だね。」
「ッチ…またかよ、
コイツら一体どこから湧いてくるんだ?」
『…アイツの誕生日会とか?』
「なにボケたこと抜かしてんだ、那由朶さんよォ」
無一郎くんと背中合わせで少し距離を置いて立っていた私に不死川さんが言った。
聞こえていたらしいのと、私の下の名前。
そして〝さん〟や〝ちゃん〟を付ける時の不死川さんは…
大体からかっている時だけである。
「女性を助けろ。
不死川、後ろは引き受けた。」
「そろそろ切り飽きたしなァ…」
少し遅れて来た伊黒さんがいつの間にか不死川さんの前にしゃがみそう言うのが聞こえる。
そんな二人に少し不服そうに言ったのは無一郎くん。
「お二方、僕にも何か引き受けさせてくださいよ。」
『無一郎くん、まだ本調子じゃ無い事忘れないでね。』
「別に命を下さなくても時透に久那も自由に動いてるだろ...」
「はは、そいつは違げえねェ…迷コンビ様々だよなァ…、」
「お互い守りあってる、全く羨ましいコトだ。」
淡々と言う伊黒さんに口角をあげ笑うと、不死川は柄を握り直して拳を反す。
チキッと鍔がなり、日輪刀の翠が闇に浮かび上がるのが見えた。
「でも…寄せ集めの雑魚ばかりじゃ退屈なんですよね。」
『あの…〝迷〟じゃないです。
〝名〟です不死川さん。』
「那由朶、他に言う事ないの?」
「お前らホント、仲良しこよしだよなァ
確かにこうもクソ雑魚ゴミばっかじゃ、文句言いたい時透の言い分も分かるぜ。」
日輪刀を背に回し構えながら笑う不死川にそう言われながら、今もお互い背にしている那由朶と無一郎。
無一郎くんとは幼馴染であり同期の私。
霞の呼吸と相性がいい私の呼吸だから、一緒に来ると必然的にこうなる訳で。
雪色に袖と裾にかけ桜色のぼかし染めが入った羽織と漆黒の隊服。
短めのキュロットスカートにタイツを合わせ、厚底の履き物をした那由朶。
出来るだけ肌の露出を抑えている事に理由があった。
誰もが羨む程の透き通る白肌は彼女にはコンプレックスの一つだったのだ。
長いまつ毛に映える大きな瞳、真白色の白肌に薄紅色の口元。
胡蝶しのぶも完成された絵画の様な美少女ではあるが、彼女も美しい容姿をしている。
その綺麗な故に実年齢より上に見られる事が多く、無一郎と変わらぬ年なのに彼より上に間違えられる事も。
それが那由朶にとっては辛くコンプレックスになっているのだった。
とは言え真っ白で桜色した羽織は染め始めの桜の花の様で…
また那由朶の使う空の呼吸は空に舞う桜の花の様な技が主流で、しなやかさの中美しさもある技の使い手であり、かく言う彼女も柱である。
「あの二人は無意識にお互い援護してるからな。」
「そう言うコト…。久那と時透は型同士連携すりゃ、大きな戦力だからなァ。
ま、お前等で仲良く分担しろや」
「俺を頭数に入れるな、不死川。」
「とにかく…そっちは譲るぜ。」
不死川が言ったと同時に高く飛び上がり、伊黒も続いて参ノ型を出すのが見えた。
そんな中、ため息混じりに柄を構えて両手で持ち〝行くよ〟と背にしている那由朶へと声をかけた無一郎。
それに彼女も頷くと呼吸と共に型を出して壁に伝う鬼を一掃していく。
桜扇…
桜舞扇乱…
空に桜が舞うような技でいながら…確実に正確に仕留めていく那由朶。
空の呼吸とは花の呼吸から派生した那由朶独自の呼吸である。
しなやかではあるがやはり派生流派元は花だけあって高い身体能力と呼吸が必要。
あの小さい体でどうやれば…と思う者も少なくは無く。
力任せではない、持ち前の速さと高い呼吸方を体得した彼女の熟練された技で。
俊敏ながらも、しなやかであり綺麗な呼吸と型だ。
那由朶は誰よりも早く女の柱では一番の素速さ言っても過言では無い。
柔らかな雪が舞う中で繰り出される彼女の型は、戦いに身を任せていなければ魅入ってしまうだろう。
加えて桜の花の様な羽織、あどけなさの中にある美しい容姿、可憐な技...
そんな事から空柱では無く〝桜花柱様〟だなんて隊員同士が呼ぶ異名 がある程だ。
「おい、三下集めても勝ち目ねぇぜ。
降参して、死ねよ」
天辺から聴こえた声と同時に不死川が肆ノ型を出し、天高く突き抜ける砂塵嵐。
那由朶と無一郎が辿り着いた時だった、〝受け取れェエ〟と鬼の叫びと共に抱えていた女性を投げたのが見えた。
『大変…‼︎』
那由朶が踏み込んだと同時に女性を受け止めたのは伊黒。
次に近かった那由朶に女性を託すと不死川と鬼を追い屋根の向こうへと消えた二人。
天守閣の内部が朽ち果てていた事が幸いして、すぐに一番下の大広間に降りる事が出来た那由朶は女性の縄を解き急いで城を出る様に促した。
そんな中、鬼の気配と共に変わると景色。
からくり仕掛けの内部にさっきの鬼達とは比べ物にならない程の強い気配がする。
咄嗟に羽織を女性へと投げ包んだ瞬間、自分を呼ぶ声と共に遠くに放され消えてしまった。
羽織を託した為彼女は無事ではあるだろうが、問題はこの場所。
『なに、ここ…』
地に足がついてるハズなのに落ちていく様な感覚がして次に周りを囲む様な重い何か。
強い気配…
那由朶は呼吸を繰り出し飛ばすが少し遅かったのか風爆と斬撃。
そんな中自分を呼ぶ声、無一郎。
瞬間突風、足元から吹き抜け目を瞑ってしまった那由朶。
耳鳴りの様な音をした風が耳元で鳴って…
子猫のふりして虎は笑む
天守閣の天辺まであと少し、不死川さんの声を背に無一郎くんと飛びてて見れば。
『…凄い、数…。』
「全く、ぞろぞろとよく集まった物だね。」
「ッチ…またかよ、
コイツら一体どこから湧いてくるんだ?」
『…アイツの誕生日会とか?』
「なにボケたこと抜かしてんだ、那由朶さんよォ」
無一郎くんと背中合わせで少し距離を置いて立っていた私に不死川さんが言った。
聞こえていたらしいのと、私の下の名前。
そして〝さん〟や〝ちゃん〟を付ける時の不死川さんは…
大体からかっている時だけである。
「女性を助けろ。
不死川、後ろは引き受けた。」
「そろそろ切り飽きたしなァ…」
少し遅れて来た伊黒さんがいつの間にか不死川さんの前にしゃがみそう言うのが聞こえる。
そんな二人に少し不服そうに言ったのは無一郎くん。
「お二方、僕にも何か引き受けさせてくださいよ。」
『無一郎くん、まだ本調子じゃ無い事忘れないでね。』
「別に命を下さなくても時透に久那も自由に動いてるだろ...」
「はは、そいつは違げえねェ…迷コンビ様々だよなァ…、」
「お互い守りあってる、全く羨ましいコトだ。」
淡々と言う伊黒さんに口角をあげ笑うと、不死川は柄を握り直して拳を反す。
チキッと鍔がなり、日輪刀の翠が闇に浮かび上がるのが見えた。
「でも…寄せ集めの雑魚ばかりじゃ退屈なんですよね。」
『あの…〝迷〟じゃないです。
〝名〟です不死川さん。』
「那由朶、他に言う事ないの?」
「お前らホント、仲良しこよしだよなァ
確かにこうもクソ雑魚ゴミばっかじゃ、文句言いたい時透の言い分も分かるぜ。」
日輪刀を背に回し構えながら笑う不死川にそう言われながら、今もお互い背にしている那由朶と無一郎。
無一郎くんとは幼馴染であり同期の私。
霞の呼吸と相性がいい私の呼吸だから、一緒に来ると必然的にこうなる訳で。
雪色に袖と裾にかけ桜色のぼかし染めが入った羽織と漆黒の隊服。
短めのキュロットスカートにタイツを合わせ、厚底の履き物をした那由朶。
出来るだけ肌の露出を抑えている事に理由があった。
誰もが羨む程の透き通る白肌は彼女にはコンプレックスの一つだったのだ。
長いまつ毛に映える大きな瞳、真白色の白肌に薄紅色の口元。
胡蝶しのぶも完成された絵画の様な美少女ではあるが、彼女も美しい容姿をしている。
その綺麗な故に実年齢より上に見られる事が多く、無一郎と変わらぬ年なのに彼より上に間違えられる事も。
それが那由朶にとっては辛くコンプレックスになっているのだった。
とは言え真っ白で桜色した羽織は染め始めの桜の花の様で…
また那由朶の使う空の呼吸は空に舞う桜の花の様な技が主流で、しなやかさの中美しさもある技の使い手であり、かく言う彼女も柱である。
「あの二人は無意識にお互い援護してるからな。」
「そう言うコト…。久那と時透は型同士連携すりゃ、大きな戦力だからなァ。
ま、お前等で仲良く分担しろや」
「俺を頭数に入れるな、不死川。」
「とにかく…そっちは譲るぜ。」
不死川が言ったと同時に高く飛び上がり、伊黒も続いて参ノ型を出すのが見えた。
そんな中、ため息混じりに柄を構えて両手で持ち〝行くよ〟と背にしている那由朶へと声をかけた無一郎。
それに彼女も頷くと呼吸と共に型を出して壁に伝う鬼を一掃していく。
桜扇…
桜舞扇乱…
空に桜が舞うような技でいながら…確実に正確に仕留めていく那由朶。
空の呼吸とは花の呼吸から派生した那由朶独自の呼吸である。
しなやかではあるがやはり派生流派元は花だけあって高い身体能力と呼吸が必要。
あの小さい体でどうやれば…と思う者も少なくは無く。
力任せではない、持ち前の速さと高い呼吸方を体得した彼女の熟練された技で。
俊敏ながらも、しなやかであり綺麗な呼吸と型だ。
那由朶は誰よりも早く女の柱では一番の素速さ言っても過言では無い。
柔らかな雪が舞う中で繰り出される彼女の型は、戦いに身を任せていなければ魅入ってしまうだろう。
加えて桜の花の様な羽織、あどけなさの中にある美しい容姿、可憐な技...
そんな事から空柱では無く〝桜花柱様〟だなんて隊員同士が呼ぶ
「おい、三下集めても勝ち目ねぇぜ。
降参して、死ねよ」
天辺から聴こえた声と同時に不死川が肆ノ型を出し、天高く突き抜ける砂塵嵐。
那由朶と無一郎が辿り着いた時だった、〝受け取れェエ〟と鬼の叫びと共に抱えていた女性を投げたのが見えた。
『大変…‼︎』
那由朶が踏み込んだと同時に女性を受け止めたのは伊黒。
次に近かった那由朶に女性を託すと不死川と鬼を追い屋根の向こうへと消えた二人。
天守閣の内部が朽ち果てていた事が幸いして、すぐに一番下の大広間に降りる事が出来た那由朶は女性の縄を解き急いで城を出る様に促した。
そんな中、鬼の気配と共に変わると景色。
からくり仕掛けの内部にさっきの鬼達とは比べ物にならない程の強い気配がする。
咄嗟に羽織を女性へと投げ包んだ瞬間、自分を呼ぶ声と共に遠くに放され消えてしまった。
羽織を託した為彼女は無事ではあるだろうが、問題はこの場所。
『なに、ここ…』
地に足がついてるハズなのに落ちていく様な感覚がして次に周りを囲む様な重い何か。
強い気配…
那由朶は呼吸を繰り出し飛ばすが少し遅かったのか風爆と斬撃。
そんな中自分を呼ぶ声、無一郎。
瞬間突風、足元から吹き抜け目を瞑ってしまった那由朶。
耳鳴りの様な音をした風が耳元で鳴って…
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