比翼の鳥は碧に恋う
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「……これで分かったかな」
口付けは、ほんの少しだけ。触れる程度のものだった。
「拒むなら……今のうちだよ」
肉付きの薄い骨張った長い指が、伺うようにかすみの頬を優しく撫でる。
「……逃げるからっ」
懸命に冷静を装おうとした声に涙が混じった。
「ちゃんと捕まえててくれないと、私、逃げるからっ」
「!」
淡い碧色の瞳が、思ってもみなかった言葉に驚き、見開かれる。
「捕まえてて。離さないで。無一郎……貴方が好き……!」
その首に腕を回し、縋るように抱きついた。
「…………」
暫くは瞳を見開き、呆然としていた無一郎だったがーー
「かすみ……僕も好きだよ。愛してる……!」
その背中に腕を回して、ぎゅうとかすみを抱き竦めた。
そのぬくもりに安心して、無一郎の腕の中かすみはゆっくりと瞳を伏せた。
白い頬を涙がスッと音もなく零れていった。
「抱いていいんだ?」
無一郎は腕に抱いたかすみを、ゆっくりと、大切そうに布団へその身体を倒していった。
かすみは白い頬を朱に染めて、恥じらいながらもゆっくりと頷く。
「怖がらないで……大丈夫、優しくするから」
「うん……」
「かすみ……愛してる」
「私も。愛してる」
互いに目を見つめ合い、微笑みを交わす。
そうしてどちらからともなく唇を重ねたーー