第六話 誕生日
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「
「ウム。見極メテオッタノダ」
「何を?」
「オ前ガ、吾輩ノ娘トシテ相応シイノカヲナ」
「娘!?相棒じゃなくて!?」
「コレカラハ、コノ偉大ニシテ!優美温厚ニシテ!篤実勇猛カツ、義理堅ク誠意溢ルル吾輩ガ!母トナリ、時二父トナリ、オ前ヲ見守ッテヤロウゾ!親代ワリトシテ、存分二頼ルガ良イゾ!」
「…………」
もはや手の付けられないテンションで語る鴉を前に沙羅は思う。
一介の隊士の鎹鴉にしては、キャラが尊大すぎる。
お願いだから私以外の人の前では話さないでほしい。
……否、それより。
「父も母もまだ健在なのだけれど」
しかし優曇華は聞いていなかった。未だにペラペラと熱く語り続けている。
沙羅の目つきが徐々に遠い目になっていったその時だった。
「沙羅ーーーッ!!沙羅ーーーッ!!」
無一郎の鎹鴉である銀子の声が空にこだました。
「我ガ娘ナラ此処ニイルゾ!!」
「出来れば名前で呼んでほしいのだけれど」
沙羅の肩にとまり高らかに宣言するや優曇華と、若干引き気味の沙羅の前に、銀子が降り立ちーー否。
「沙羅!コノバカ娘!!」
彼女は突然、沙羅をどついた。
「稽古サボッテ何処ホッツキ歩イテタノヨ!アノ子ガ探テタワヨ!」
「痛いっ!ごめんなさい、サボった(訳ではないけれど)分は、時間をずらして後でやるから……」
「ソンナ事ハドウデモイイノヨ!アノ子ニ探サセルンジャナイワヨ!柱ノ時間ハ貴重ナノヨ!!」
「銀子さん、痛いってば……」
突如、二人(否、一人と一羽)の間に颯爽と一羽の鴉が割って入った。
「我ガ娘ニ手ヲ出スナ」
「アンタ何ナノヨ!」
二羽の鴉が只ならぬ雰囲気でもって対峙する。
先に飛びかかったのは、銀子の方であった。
「あ……ちょっと、私のために、喧嘩は……!」
慌てて止めに入ろうとする沙羅の目の前を、スッと黒い影が横切った。