第五話 困惑
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「あ、師範。今日のお夕飯は豚汁ですよー」
笑顔で鷹揚に告げると、無一郎は明らかに面食らった顔をしていた。
そんな彼にはお構いなしに、テキパキと夕飯の準備を進める沙羅。
そうして食卓は着実に整っていった。
本日の夕食のメニューは、白米と具沢山の豚汁、鮭の照り焼きにだし巻き玉子、ほうれん草の胡麻和えだ。
「頂きます」
二人揃って手を合わせる。
豚汁に箸を付けながら無一郎が口を開いた。
「正直、もう帰って来ないかと思った」
「何故です?鍛練が終われば戻りますよ」
「それ、本気で言ってるの?」
「勿論」
「…………。君はさ、自分の置かれた状況を理解してるのかな」
「状況、とは」
「僕に
あまりにもストレートな物言いに、豚汁を啜っていた沙羅は思わず噎せた。
咳き込む沙羅の背を擦りながら「大丈夫?」と無一郎。
「…………。随分はっきり仰っいますね?」
「事実だから」
沙羅が布巾で口元を拭いていると、
「無かった事にされたくない」
無一郎の静かな声が耳に届いた。
………どうしよう。見破られている。
何事もなかったかのように振る舞って、有耶無耶にしちゃおう大作戦は、既に看破されている。
冷や汗ダラダラで固まる沙羅に、さらに追い打ちを掛けるように。
「今回は見逃したけど、今後僕の前で隙を見せたら次はないから」
そんな恐ろしい宣言までされて、沙羅はこれから無一郎とどう向き合っていけばよいのか分からなくなるのだった。
【大正コソコソ話】
久し振りに人里へ買い物へ出た際に、八百屋の店主が変わっていた。
どうしたのか尋ねると前店主は女学生にセクハラをして警察へ連行されたのだという。
親切なおっちゃんだと思ってたのに……とちょっぴりへこむ夢主でした。