第十話 遊郭
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
沙羅が踏み込む。まさかそのまま攻撃の渦中へと突っ込んでいく。
ーー宵の呼吸 伍ノ型 弾幕 神楽ーー
夜闇に剣閃が奔り、それは重なり合って五角形を描いた。刹那、薄紅色の弾幕が剣閃から四方へ散り、帯を灼き切る。
帯の端が燃え上がり、炎にトラウマのある堕姫が怯む。
僅かに生まれた隙を見逃さず、距離を詰めようとした、その時だった。
「うわぁん、怖いよぉ!!」
先程堕姫がぶつかった長屋から、一人の女児が泣きながら飛び出して来たのだ。
大きな音に驚いて混乱したのだろう。迂闊だった。
「駄目よ、茜⋯っ」
すぐさま母親らしき女性が飛び出して、女児を抱き込む。
「⋯⋯五月蝿いわね」
苛立ちも露わに堕姫が彼女達を睥睨する。まずい。
彼女達は堕姫の後ろだ。堕姫と対峙する沙羅は位置的に庇えない。
堕姫の帯が、当然のように彼女達に襲い掛かる。
沙羅は内心で舌打ちをして、迷うことなく刀を投擲した。
刀は
「武器を捨てたわね」
堕姫の視線が沙羅を捉える。同時、無数の帯が沙羅を目掛けて急迫する。
懸命に避けるも躱しきれなかった帯が沙羅の肌を裂く。血飛沫が舞う。
沙羅は足元の鉢植えを堕姫へ向かって投げた。
「は?何よそれ。無様よね、人間って本当に!」
帯が鉢植えを粉砕し、砕けた陶片と土が飛散する。
そこに紛れて沙羅は既に距離を詰めていた。
至近距離から跳躍の威力を込めた蹴りが跳ね上がる。
「それはもう見たわよ。馬鹿の一つ覚えね。もう通じないわよ!!」
相手がそれを見切る。流れるように攻防一体。帯の斬撃が飛ぶ。
だが斬撃が届くより先、まさかその蹴りが死神の鎌と化す。
突如、通り抜けた沙羅の脚が曲がる。
「狙いは隠すものよ」
踵で堕姫の後頭部を蹴り抜いたのだ。勢いのまま堕姫が地面へと激突する。
その隙に沙羅はいったん間合いを取る。堕姫がゆらりと立ち上がる。
「よくまぁやってくれたわね⋯」
膨れ上がる怒りに空間が歪んで見える。
どうする⋯⋯刀を手放した今、沙羅に成す術はない。
容赦なく無数の帯の斬撃が、沙羅へ急迫する。
その時だった。
ーーヒノカミ神楽 “灼骨炎陽”ーー
猛炎を纏ったような斬撃が、円を描いて堕姫の攻撃を絡め取った。
そして次の瞬間、雷霆のような蹴りが、堕姫を襲った。