第十話 遊郭
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時を同じくして沙羅と炭治郎へ堕姫が迫る。
堕姫の明確な殺意を帯びて鋭い刃となった帯が、無数に降り注ぐが如く襲い掛かってくる。
沙羅と炭治郎は背中合わせにそれらを捌く。
刹那、何処からともなく飛んできた無数の帯が、堕姫の身体に突き刺さった。
ーー来た。恐らくそれは、宇髄達の襲撃により散り散りになったであろう帯。それらが堕姫の身体の中へと収束していく。
これから起こる惨劇を知る沙羅は、眉を顰めてタイミングを計る。
すぐ横で、炭治郎が動いた。炭治郎が繰り出した斬撃が、空を切る。
堕姫の姿はそこにはなかった。まるで瞬間移動でもしたかのように、屋根に移っている。
分散させていた能力が戻り、身体能力が飛躍したのだろう。
容姿も変わる。
「やっぱり“柱”ね。柱が来てたのね。良かった」
黒々としていた髪が、毛先に掛けて徐々に白く染まっていく。
「あの方に喜んで戴けるわ⋯」
歓喜に震える堕姫の髪が一瞬白く輝き、白い髪は毛先に掛けて黄緑色に染まった独特な姿へと変貌した。
その美貌はいっそ禍々しいほどに凄みを増して、沙羅と炭治郎を圧倒した。
落ちつけ。沙羅は自身を叱咤する。炭治郎も宇髄が伊之助達と合流した事を悟ったはずだ。
そろそろ⋯⋯。
「うるさいぞ、お前ら!!」
一人の男性が店から出てきた。
「何だ、その刀は!人の店の前で揉め事を起すんじゃねぇぞ、どこの嫌がらせだ!!」
怒鳴りながらも無防備に此方へ近づいて来る。
「この花街はな、店のもんもお客も規律を守って成り立ってるんだ!お前らみたいのはお呼びじゃねぇんだよ!とっとと失せろ!!」
その騒ぎで街がざわつく。窓際に人が集まってくる。
「⋯⋯。うるさいわね」
忌々しげに堕姫が呟いた。殺気が膨れ上がる。
攻撃が、来る。沙羅は素早く身構えた。
ゆらりと堕姫が立ち上がる。それを見た炭治郎が叫ぶ。
「ダメだ、こっちに来ちゃ!!下がって下さい!!」
帯が蠢く。
「建物から出るな!!!」
攻撃は一瞬だ。防ぐにはその攻撃速度を上回らないといけない。
沙羅はすぐさま発砲、そこに回転斬りを加えた。一瞬にも満たない速度。瞬きする間もありはしない。
そしてこの技は、速さだけでは成立しない。直線的に弾丸を斬る今迄の技とは違い、はるかに技術を要する。
しかし沙羅は見事に成し遂げてみせた。宵の呼吸に新たな技が誕生した瞬間だった。
狙い通り弾幕は螺旋を描いて放射状に散る。今迄の技とは比較にならないほどの攻撃範囲と威力。
それらは堕姫の攻撃の悉くを、防いでみせたのだった。