第十話 遊郭
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ふっ飛ばされた炭治郎の身体は何度もバウンドして地面を転がった。
咄嗟に受け身を取った為、ダメージは少ないが、ヒノカミ神楽を連発した反動が一気に押し寄せ息が上がる。
疲労の蓄積で筋肉が強張り、思うように動けない。
「まだ生きてるんだ」
容赦なく鬼が迫って来る。帯が強靭な刃のように大地を抉りながら炭治郎の頸に迫る。
ーーふわっと音もなくごく僅かな量、土煙が舞った。
炭治郎の目の前で、地を蹴って人影が鬼に向かって一直線に跳んだ。
跳びながら、人影は刀の柄に右手をかけ、鞘を握り左手を腰に引き付ける。
ーー宵の呼吸 伍ノ型 弾幕 神楽ーー
居合いの一閃が振り出されたかと思った瞬間、肉眼では視認できない凄まじい速度で幾重にも斬撃が繰り出される。
夜闇に細く剣閃が重なり、それは五角形を描き、次の刹那そこから薄紅色の弾幕が四方に散った。
その技は夜空へ舞い散る花吹雪のこどく優雅で美麗な見た目を裏切って、凶悪な破壊力でもって鬼の帯を悉く焼き切る。
鬼は人影から間合いを取った。
人影は炭治郎を守るように鬼を前に立ち塞がる。
「沙羅⋯⋯」
亜麻色の髪が夜風に揺れる。蒼い瞳は鋭く鬼を見据えたまま人影がーー有須沙羅が、静かに言葉を紡いだ。
「遅くなってごめん」
沙羅を見て鬼は僅かに片眉を上げた。
「ふぅん。アンタ⋯いいわね。綺麗。気に入ったわ。髪の毛一本残さず食べてあげる」
鬼が妖艶な笑みを浮かべる。しかしその瞳は決して笑っておらず、沙羅だけを見据えて、毒々しいほど赤く見える長い舌で下唇をゆっくりと舐めたあげた。