第十話 遊郭
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無事に帰されたアオイはきよ達と抱き合って泣いていた。
遠巻きにその様子を見届けてから、沙羅は宇髄達に合流した。
「で?どこ行くんだ、オッサン」
宇髄の圧倒的なバルクにビビる善逸の横で、無駄に自信満々の様子で仁王立ちの伊之助が問う。
「日本一色と欲に塗れたド派手な場所。
宇髄がニヤリと口角を吊り上げた。
「ゆう⋯かく?」
ぽかんと怪訝そうな炭治郎。
「ほら、あれだよ、わかんない?」
茹でダコのように真っ赤な顔でそわそわと善逸。
そんな彼らにはお構いなしに、宇髄は堂々と口を開く。
「いいか?俺は神だ!お前らは塵だ!まず最初はそれをしっかりと頭に叩き込め!!ねじ込め!!
俺が犬になれと言ったら犬になり、猿になれと言ったら猿になれ!!
猫背で揉み手をしながら俺の機嫌を常に伺い、全身全霊で
そしてもう一度言う、俺は神だ!!」
ご丁寧にポーズを決めて宇髄。
やべぇ奴だ⋯⋯と、善逸はドン引きした様子でそれを眺めていた。
バビッと炭治郎が挙手をする。
「具体的には何を司る神ですか?」
とんでもねぇ奴だ⋯⋯。善逸、再びドン引き。
「いい質問だ。お前は見込みがある」
ニヤリと上機嫌な宇髄だが、善逸はやはりドン引きしている様子。
アホの質問だよ。見込みなしだろ。心の声までは聞こえないが、その表情がありありと物語っている。
ここまでは順調に沙羅の知る会話が続く。
「派手を司る神⋯⋯祭りの神だ」
「俺は山の王だ。よろしくな、祭りの神」
「何言ってんだお前⋯⋯気持ち悪い奴だな」
いや、アンタとどっこいどっこいだろ!!引くんだ!?
引いている宇髄にドン引きする善逸。
宇髄へ掴み掛かろうとする伊之助を、必死に取り押さえる炭治郎。
わちゃわちゃとした雰囲気に、沙羅は密かに笑みを零した。
「花街までの道のりの途中に藤の家があるから、そこで
宇髄の視線が沙羅を捉えた。
「お前は帰れ」
沙羅はゆっくり瞳を伏せる。⋯⋯大丈夫。こう言われるだろう事は、想定済みだ。
「いいえ、帰りません」
「お前は時透の継子だろう。継子は許可が必要なんだよ」
「師範の許可は、私が責任をもって取ってきます」
宇髄の目をまっすぐに見つめて、沙羅は言った。
「霞柱時透無一郎の継子として必ずお役に立ってみせます。
私も連れて行って下さい」
宇髄は暫く黙って沙羅の目を見つめていたが、
「断る」
ごく静かな口調で答えた。しかしこの答えも沙羅にとっては想定済み。
「いいえ。断れません」
「お前にそんな事言う権利はねぇよ!!いいから引っ込んでろ!!」
「いいえ。引っ込みません」
「だから目ぇがんぎまりで怖ぇんだよ!!さっきから何なんだよ!!」
押し問答は数十分に及び、漸く宇髄が折れる形となった。
「時間がねぇ。行くぞてめーら。有須、お前は責任もって時透の許可を取って来い」
「承知致しました」
「藤の家で待っててやる」
その場を一瞬で走り去る宇髄と、慌ててそれを追いかける炭治郎達。
その後ろ姿を見送りながら、沙羅は決意を新たにした。
今度こそ上弦の鬼との戦闘経験値を得る。そして宇髄の柱引退を阻止してみせる。
ーー時透無一郎の運命を、私が変えるんだ。