第八話 無限列車
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煉獄と猗窩座の壮絶な戦いに圧倒され、伊之助は身を強張らせて見守るより術はなかった。
隙がない。入れない。その攻撃速度について行けない。
異次元の戦闘に、間合いに入れば“死”しか無いのを肌で感じる。
助太刀に入ったところで足手纏いでしかないと解るから、動けないのだ。
「煉獄さん……」
傍らで炭治郎が掠れた声を漏らした。
沙羅は動かない。瞳を伏せたままじっと機会を待つ。
弾幕技は恐ろしいまでの正確さとスピード、そして集中力を要する。
「まだ分からないか!攻撃を続ける事は、死を選ぶという事が!!杏寿郎!!」
猗窩座の言葉を撥ねつけるように、激しく斬りつける煉獄。
軽々と避けた猗窩座の拳が
紙一重で避けるが拳圧で額が切れ、血が噴き出す。
それでも煉獄は果敢に挑み続ける。
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
炎のような剣閃が闇夜に走り、猗窩座の両腕が飛ぶ。
しかし、すぐさまそれも再生される。
「ここで殺すには惜しい!!お前は肉体の全盛期ではない!!」
猗窩座の拳が煉獄の脇腹を捕らえる。骨の砕ける音がした。
激痛に小さく呻きながらも、即座に次の技を繰り出す。
ーー炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天ーー
下から上に、猛炎のような刃で斬りつける。
猗窩座はそれすらものともせず、寧ろ嬉々として容赦ない連撃を煉獄へ浴びせる。
「一年後、二年後には更に技も研磨され、精度も上がるだろう!!」
次々と繰り出される拳撃を刀で受け止めるが、勢いを殺せず、猗窩座の拳が煉獄の左目を潰す。
脳に受けた衝撃と激痛によろめきながらも、踏み止まり、
ーー炎の呼吸 参ノ型 気炎万象ーー
ーー炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねりーー
果敢に連撃を浴びせる。猗窩座はいったん間合いを取り、技を出さんと構える。
ーー破壊殺・乱式ーー!!!
ーー炎の呼吸 伍ノ型 炎虎ーー!!!
技と技のぶつかり合いに虚空がうねり、爆ぜた。
「やったか!!勝ったのか!!」
黄塵に霞む中、距離を取る二人を見て伊之助が叫んだ。
ーーしかし。
煉獄の足元に血が滴るのを炭治郎は見た。
猗窩座の斬られた腕が再生する。
対して煉獄は疲労と激痛に喘いでいた。
「もっと戦おう。死ぬな、杏寿郎」
静かに猗窩座は言った。
「生身を削る思いで戦ったとしても全て無駄なんだよ、杏寿郎。
お前が俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も全て完治してしまった。
だが、お前はどうだ?潰れた左目、砕けた肋骨、傷ついた内臓。
もう取り返しがつかない。
鬼であれば瞬きする間に治る。そんなもの鬼ならば掠り傷だ。
どう足掻いても人間では鬼に勝てない」
煉獄を見つめながら炭治郎は歯噛みする。
加勢に入りたいのに、手足に力が入らない。
傷のせいでもあるだろうが、ヒノカミ神楽を使うとこうなるのだ。
炭治郎の視線の先で、煉獄が深く息を吐き出した。
次の瞬間、煉獄から溢れんばかり炎のような闘気が立ち昇るのを、確かに見た。
「杏寿郎、お前……」
もとより闘気が見えていた猗窩座が、息を呑む。
「俺は」
刀を構え、大地を踏み締める。
「俺の責務を全うする!!ここにいる者は誰も死なせない!!」
猗窩座を見据え、算段をたてる。
次の一撃で、一瞬で多くの面積を根こそぎ抉り斬る。
ーー炎の呼吸 奥義ーー
ビリビリと全身が痺れるような凄まじい闘気に、猗窩座は歓喜の声を上げる。
「素晴らしい闘気だ……それ程の傷を負いながらその気迫、その精神力、一部の隙もない構え。
やはりお前は鬼になれ、杏寿郎!!俺と永遠に戦い続けよう!!」
ーー術式展開ーー
嬉々として構える猗窩座を見据え、煉獄は思う。
心を燃やせ。限界を超えろ。
「俺は炎柱 煉獄杏寿郎!!」
地が砕ける程の踏み込み。
ーー玖ノ型 煉獄ーー!!!
ーー破壊殺・滅式ーー!!!
技と技が激しくぶつかり合う直前、沙羅は瞳をすうっと開く。
ぎしっと音がなるほど強く刀を握りしめた。