第八話 無限列車
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猗窩座の戦闘は体術にこそ技の全てが集約されていた。
次々と繰り出される拳を、剣技で受ける煉獄。
その凄まじい速力は、今の炭治郎では目で追えなかった。
「今まで殺してきた柱達に炎はいなかったな。そして俺の誘いに頷く者もなかった」
拳撃が次々と煉獄を襲い、蹴り足が避けた紙一重のところで空を狩る。
すかさず繰り出される拳を、刀で抑える煉獄に、至近距離から猗窩座は語り掛け続ける。
「なぜだろうな?同じく武の道を極める者として理解しかねる」
その間にも、猗窩座の猛攻は留まる事はない。
「選ばれた者しか鬼にはなれないというのに」
刀で応戦する煉獄に、猗窩座は尚も拳で迫る。
「素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えていく。俺はつらい。絶えられない。
死んでくれ、杏寿郎。若く、強いまま」
猛炎を纏ったような剣閃が、猗窩座を襲う。
その瞬間、猗窩座は路面を強く蹴って飛ぶ。
その身体は既に虚空にあった。
ーー破壊殺・空式ーー
猗窩座の拳が虚空に爆ぜる。
拳圧が凄まじい破壊力をもって煉獄を襲う。
瞬時に状況を理解した煉獄が、技を繰り出す。
ーー炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねりーー
猛炎を纏ったような剣閃が渦を巻き、拳撃の全てを打ち落とす。
それでも猗窩座の猛攻は止まらない。
虚空を拳で打つと攻撃がこちらまで来る。一瞬にも満たない速度。
このまま距離を取って戦われると頸を斬るのは厄介だ。
ならばーー近づくまで!!
踏みしめた足元で、土煙が舞う。
強靭な脚力で踏み込み、一気に間合いを詰める。
間髪入れず、技を繰り出す。
「この素晴らしい反応速度」
一人感動したように猗窩座が微笑う。
「この素晴らしい剣技も失われていくのだ杏寿郎、悲しくはないのか!!」
「誰もがそうだ、人間なら!!当然のことだ!!」
拳撃と剣技がせめぎ合う。
よりいっそう激しさを増す戦闘。駆けつけた伊之助とともに加勢せんと必死に身を起こす炭治郎を、
「動くな!!傷が開いたら致命傷になるぞ!!待機命令!!」
煉獄の声が鋭く一喝する。
その剣幕に押され、ビクッと身を震わせて、炭治郎は身動きがとれなくなる。
「弱者に構うな、杏寿郎!!全力を出せ、俺に集中しろ!!」
煉獄の一撃で、猗窩座が激しく後方へふっ飛ばされる。
すかさず追撃する煉獄に、無傷の猗窩座が迫る。
「いい動きだ」
嬉々とした言葉とともに繰り出される連撃。凄まじい速度の蹴りが煉獄を襲う。
咄嗟に刀で受け止めるが、勢いを殺せず、今度は煉獄が後方へふっ飛ばされる。
「煉獄さん!」
「ギョロギョロ目ん玉!」
狼狽する炭治郎達の叫びを聞きながら、煉獄が身を起こす。
そのダメージは決して軽くなかった。
「鬼になれ、杏寿郎」
黄塵の中からゆったりと現れ、再び猗窩座が誘う。
「そして、俺とどこまでも戦い、高め合おう!その資格が、お前にはある!」
煉獄とは違い、呼吸一つ乱さずに、猗窩座は言う。
煉獄が斬った腕も、即座に再生させていた。
鬼と人間の、明確な違いだった。
「断る!」
ギリッと刀の柄を握りしめ、煉獄は立ち上がる。
「もう一度言うが、俺は君が嫌いだ。俺は鬼にはならない!!」
青眼に刀を構え、地を蹴った。
ーー炎の呼吸 参ノ型 気炎万象ーー
猛炎のような刃が、虚空から振り降ろされる。
「素晴らしい、見事だ!」
嬉々として言う猗窩座の傷は、既に癒えている。