第一話 誓約
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「君は目の前の敵を見ていない……それどころか、師である僕すら見てないよ」
その言葉には、流石に反感を覚えずにはいられなかった。
ぎりっと身体の横で拳を強く握り締めた。
「……お言葉ですが」
感情を抑えたつもりだったが、微かに声が震えてしまった。
「私は貴方を見ています。貴方の背中を追っている。……そしていずれは」
そこで一旦言葉を区切ると、探るように此方を見据える碧色の瞳を真っ向から見据えて言い放った。
「僭越ながら貴方を超えたいと思っています」
上弦の強さは柱三人分に匹敵する。
「師範……いいえ、時透無一郎殿」
恭しくその名を呼び、沙羅はその場に跪いた。
「え……」
無一郎は珍しく戸惑った表情を見せていたが、沙羅は構わず続けた。
「私は師である貴方に忠誠を誓います」
これは決意表明だ。
「これより先は、剣となり、盾となり、この生涯をかけて貴方を守ると誓約申し上げる」
淀みなく告げれば、無一郎は驚いたように目を見開いて此方を凝視していた。
「どうして……そこまで……」
スッと立ち上がると沙羅は淡く微笑み、
「この話はどうかこれで終わりにして下さい。忘れて下って構いません。それでも私の意志は変わらないから……」
この人を守る……。
「これが私の信念なんです」
指一本欠損させない。命を奪わせたりなんかしない。
私が守るーー
それがこの世界へ生まれ落ちた有須 沙羅の行動理念の全てであった。
【大正コソコソ噂話】
実は夢主と無一郎くんのお互いの第一印象は全く同じでした。
互いが互いの事を“人形みたい”だと思っていました。
夢主は無一郎くんを、可愛らしくてお人形さんみたいだと思い、
無一郎くんは夢主の事を、肌が白くて髪や瞳の色素が薄くて、顔立ちも綺麗だから、異国の人形みたいだと。
思っていたわけです。