第八話 無限列車
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気が付くと沙羅は、炭治郎に抱え込まれていた。
「うおおおぉっ!!」
肉塊の上を弾みながら伊之助が着地する。
すぐさま此方へ駆け寄って来る。
「大丈夫か!!三太郎!!幸代!!」
幸代って誰さ。野村……?いや、多分私の事なのだろうけど。
沙羅は呆れ半分、微笑ましさ半分の気持ちで聞いていた。
「しっかりしろ!!鬼の肉でばいんばいんして助かったぜ、逆にな!!」
炭治郎を引っ張り起こしながら、
「腕は大丈夫か!!斬られた腕は!!」
ガクガクと容赦なく揺らす。
……やめてあげて。
「俺は大丈夫だ。伊之助は」
「元気いっぱいだ!風邪も引いてねぇ!!」
「!、そうだ……沙羅は」
「おい、大丈夫か沢子!!」
今度は沢子か。“さ”しか合ってないな、さっきから。
ぼんやりそんな事を考えていると、伊之助が沙羅を引っ張り起こす。
「私は大丈夫……、乗客を……。運転手を助けてあげて」
伊之助は一拍間を置いて、
「アイツ死んでいいと思う!!」
「よくないよ」
炭治郎と沙羅のツッコミが被る。
「お前らに怪我させた奴だろうが!アイツ足が挟まって動けなくなってるぜ、足が潰れてもう歩けねぇ!!放っとけば死ぬ!!」
「だったらもう十分罰は受けてる。助けに行こう」
「私からもお願い」
「頼む」
伊之助はぐぬぬと悔しそうに歯噛みして、沙羅をそっと地面へ横たえた。
「……ふん。行ってやるよ。親分だからな」
両手で無駄に力いっぱい指をさして。
「子分達の頼みだからな!!」
確かにそう言った。
子分達ーー私も仲間に入れてくれるんだ。
何故だろう。ほんのり嬉しくて、沙羅は少しだけ微笑んだ。
「よし、俺も行……」
立ち上がろうとして、炭治郎がよろめいた。
恐らくは失血のせいだろう。
「炭治郎くん」
庇いきれなかった事が悔やまれる。
そんな沙羅の心情を知らない炭治郎が、沙羅とおろおろする伊之助へ微笑む。
「俺は大丈夫だ」
「無理するな、権三郎。お前は此処にいろ」
伊之助は鼻息荒く運転手の元へ向かいながら、
「助けた後、アイツの髪の毛全部毟っといてやる!!」
そんな事を言い残して、餌を探す熊のようにのしのしと歩いていく。
「そんな事しなくていいよ……」
炭治郎が力なくそう言うので、沙羅は思わず小さく笑うのだった。