第八話 無限列車
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「言うはずがないだろうそんな事を、俺の家族が!!」
目を覚ました瞬間聞こえたのは、激昂する炭治郎の叫び。
「俺の家族を侮辱するなァァァァァァ!!!」
次の瞬間、炭治郎の刃が魘夢の頸を、沙羅の刃が魘夢の胴を、横一文字に断ち切った。
ドサリと魘夢がその場に倒れ伏す。
沙羅はすかさず注射器を取り出し、採血を始めた。
抗毒血清を作るためだ。
鬼の毒を受けた場合の治療法は、血清療法が主体となる。
血清は、毒液から抽出精製した蛋白質を少量注射し、それを繰り返して身体の中に抗体を作らせる。
この抗体が含まれた血液の上澄みが血清であり、それを鬼の毒を受けた人間に投与することで、体内に注入されてしまった毒に対抗することができるのだ。
ただし重大な欠点もある。
それぞれの抗毒血清は、一種類からせいぜい数種類の鬼の毒に対してしか効果がない。
つまり鬼の毒を受けた場合、予めその鬼の毒を使って、血清を作って用意しておかないといけないのだ。
魘夢は毒を持っていないが、鬼舞辻の血をたくさん得たと言っていた。
鬼の毒の大元は鬼舞辻の血だ。
ならば効果はあるだろうと踏んだのだ。
抗毒血清は今回の戦いでは必要ないが、今後の戦いでいずれ必ず必要となる。
「何をしているんだ?」
「鬼の毒に対する抗毒血清を作るために、鬼舞辻の血を得た鬼の血液を採取しているの」
炭治郎の疑問に手短に答え、採血を終えた沙羅は短いスカートを翻しすかさず車両の方へと走り去った。
その姿を見つめながら、炭治郎は微かに笑みを漏らした。
怒りが振り切れている匂いがしていたが、冷静さは欠いていないようだ。
柱の継子という肩書は、伊達ではないという事だろう。
「
切り離された頭が喋る。
「存在自体が何かこう癪に障って来る感じ」
反射的に振り返れば、毒々しい色をした肉塊が、魘夢の頸と汽車を繋いでいた。
死なない!?衝撃的な光景に炭治郎が絶句する。
「素敵だね、その顔。そういう顔を見たかったんだよ」
鬼が嗤う。
「頸を斬ったのにどうして死なないのか教えて欲しいよね。
いいよ。俺は今気分が高揚してるから。赤ん坊でもわかるような単純なことさ。うふふっ。
今喋ってる
君がすやすやと眠っている間に、俺はこの汽車と“融合”した!」
驚愕に目を見開く炭治郎。
「この列車の全てが俺の血であり肉であり骨となった」
その言葉は、炭治郎一人では絶望的な戦況である事を意味していた。
「うふふっ、その顔!いいねいいね、わかってきたかな?つまりこの汽車の乗客二百人余りが俺の体をさらに強化するための餌。
そして人質。ねぇ、守りきれる?君は一人で。
この汽車の端から端までうじゃうじゃしている人間たち全てを俺に“おあずけ”させられるかな?」
炭治郎が刀を振るうが、魘夢は嗤いながら汽車の中へと姿を消した。
ぶん、と刃が空を切る。
すかさず駆け出す炭治郎。
どうする……どうする!!一人で守るのは二両が限界だ。
それ以上の安全は保障ができない……!!
「煉󠄁獄さん、善逸、伊之助ーーーーっ、寝てる場合じゃない!!起きてくれ頼む!!」
汽車の屋根の上を疾走しながら必死に叫ぶ。
「禰󠄀豆子ーーーッ!!沙羅ーーーッ!!眠っている人達を守るんだ!!」
ごっ、ごっと凄まじい音を立てて汽車の屋根が歪み、次の瞬間、
「ついて来やがれ子分共!!」
屋根を突き破って伊之助が飛び出して来たのだ。
「爆裂覚醒!猪突猛進!伊之助様のお通りじゃァァァ!!」