第八話 無限列車
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
走行する汽車の先頭車両の屋根の上、炭治郎は魘夢と遭遇した。
魘夢はゆったりと振り返る。
「あれぇ、起きたの?おはよう。まだ寝ててよかったのに」
と嘯きながら悪戯っぽく手を振る。
「せっかく良い夢を
炭治郎の視線の先で魘夢はくすくすと悪戯に微笑う。
「今度は父親が生き返った夢を見せてやろうか」
優しげなようでいてその実露骨に人間を馬鹿にしている魘夢の言葉に、炭治郎は自らの内で爆ぜるような怒りを感じた。
そんな炭治郎を見て、魘夢は笑みを深めた。
本当は幸せな夢を見せた後で悪夢を見せてやるのが好きなんだ。
人間の歪んだ顔が大好物だよ。堪らないよね。
不幸に打ち拉がれて苦しんでもがいてる奴を眺めると楽しいでしょう。
だが魘夢は油断しない。回りくどくとも鬼狩りは確実に殺す。
インクに自らの血を混ぜた切符に車掌が“鋏痕”をつければ、術が発動する遠隔術。
面倒だがこの方法が一番鬼狩りに気づかれにくかった。
気づかれないのは大事な事だ。
夢だと気づくまでそこは現実なのだ。
それでも炭治郎は夢から目覚めた。短時間で覚醒条件を見破って。
「人の心の中に土足で踏み入るな!」
スラリと抜刀する。黒い刀身が月灯りを反射して、鈍く輝く。
「俺はお前を許さない」
ふわり、と沙羅の匂いがした。
炭治郎の横をスッと横切り、魘夢の方へと静かに歩いていく。
足音を立てない歩き方。
匂いがするまで気づかなかった。まるで気配がしなかった。
「沙羅……!」
起きてたのか、と言いかけて、口を噤んだ。
沙羅から凄まじい怒りの匂いがする。
「魘夢ーーお前、許さないから」
呟く声音はいつもよりワントーン低く、仄暗い瞳が月灯りを反射して鋭い光を帯びる。
ーー血鬼術 強制昏倒催眠の囁きーー
炭治郎の耳飾りに気付いた魘夢が、これは行幸と仕掛けてくる。
「おねーー」
言葉は途中で遮られた。
ーー宵の呼吸 参ノ型 伽藍の薄闇ーー
沙羅の刃が音もなく魘夢の手を刺し貫いていたのだ。
すかさず炭治郎も仕掛ける。
ーー水の呼気 拾ノ型 生生流転ーー
カチカチ、と微かな音がした。刃と歯がぶつかる音。
刺し貫かれた手のひらの口が不気味に蠢き、そして。
「お眠りィィ」
まず術を食らったのは、間近に接近していた沙羅だった。
ドサッとその場に倒れ伏す。
沙羅は再び眠りの底へと落ちていった。