第八話 無限列車
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スッと閉じていた瞳を開く。朱金の双眸に鋭利な眼光が宿る。
炎のような模様を描く外套を翻し、皆を庇うように煉獄が前に進み出た。
「車掌さん!危険だから下がってくれ!火急のこと故、帯刀は不問にして頂きたい!」
通路の先を鋭く睨むと、程なくして鬼が姿を現した。
毒々しい灰色の肌。歪んだ双顔。額や肩に太く鋭い角が張り出している。
体長にして十六尺はあろうかという巨躯だ。
突然現れた異形の姿に人々は狼狽し、悲鳴をあげる。
「その巨躯を!!隠していたのは血鬼術か。気配も探りづらかった。しかし!罪なき人に牙を剥こうものならば」
ベルトへ鞘を差し、抜刀する。
「この煉獄の赫き炎刀が、お前を骨まで焼き尽くす!!」
鬼が咆哮をあげる。錆びた金具が軋むような不快な音だ。
両者が同時に地を蹴って、突進する。
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
炎を発するような勢いで突撃し、放たれる一撃に、鬼の頸が飛ぶ。
煉獄は勢いのまま扉をぶち破り、隣の車両で着地する。
すかさず振り返れば、炭治郎達に迫っていた鬼の胴が、灰燼となって消え去った。
間近で見る炎の呼吸の凄まじい迫力に、炭治郎達が気圧される。
「もう一匹いるな、ついて来い!」
すぐさま駆け去る煉獄と、すかさずそれを追う沙羅。
炭治郎達も後を追う。
どっと逃げ惑う人々の波が押し寄せて、煉獄はその向こうに小山のような影を見た。
恐ろしく手足の長い、左右二対四眼の目を持つ鬼。
「先手必勝!俺がやる!!」
止める間もなく伊之助が突っ込んでいく。
続いて沙羅も居合いの構えを取り地を蹴った。
刹那、鬼の脇腹から飛び出した腕が、伊之助目掛けて振り下ろされる。
咄嗟に刀で応戦するも、間髪入れず鬼の腕が伊之助を捕らえんと伸ばされる。
間一髪、鬼の腕をすり抜け煉獄が伊之助を救出する。
沙羅は、鬼の腕の猛攻を捌いていた。
「くっ」
一瞬の隙をついて鬼の腕が沙羅を捕らえ、磔にする直前、煉獄は鬼の腕を断ち切った。
そのまま落下する沙羅を受け止める。
悉く獲物を奪われ、激昂し煉獄目掛けて鬼が突進する。
ーー炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天ーー
猛炎を纏ったような刃の軌跡が円を描く。鬼の頸が飛ぶ。
司令塔を無くした鬼の胴体が、座席や床を蹴散らしながら崩れ去った。
「すげぇや兄貴!!見事な剣術だぜ!!おいらを弟子にしてくだせぇ!!」
感動のあまり炭治郎が叫ぶ。
「いいとも!立派な剣士にしてやろう!」
豪快に笑って受け止める煉獄に、
「おいらも!!」
「おいどんも!!」
うろ覚えの炭治郎の連れも便乗する。
「貴方とはもっと早くに出会っていれば……私も弟子になりたかったです」
沙羅に至っては睫毛オバケだ。
「うむ!しかし君は時透の継子だ!時透のもとで励むべきだ!」
「はいっ。頑張ります!煉獄のアニキ!」
弾けるような笑顔で沙羅。
「煉獄の兄貴ィ!!」
「兄貴ィ!!」
弾けるような笑顔で皆が煉獄を取り囲む。
その中心で、煉獄もまた笑顔だった。