第八話 無限列車
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それぞれが眠りに落ちたのを確認すると、車掌は必死に
「言われた通り切符を切って眠らせました。どうか早く私も眠らせて下さい。死んだ妻と娘に会わせて下さい」
車掌はその場に蹲り、哀願する。
「お願いします、お願いします……」
ーーぼとり、と。
「いいとも。よくやってくれたね」
親指のつけ根に目玉と手の甲に口があり、指先には“夢”の文字が刻まれている。
「お眠り。家族に会える良い夢を」
刹那、車掌がその場へ倒れ伏した。
車掌が深い眠りに落ちていくのを、異形の手首は悠然と眺める。
「あの…、私達は……」
声のする方へと異形の手首がゆったりと振り返る。
そこには五人の少年少女が控えていた。
「もう少ししたら眠りが深くなる。それまでここで待ってて。
勘のいい鬼狩りは殺気や鬼の気配で目を覚ます時がある。
近づいて
俺は
幸せな夢を見るために」
少年少女達は酷く思い詰めた様子で頷いた。
「はい…」
月灯りの美しい夜だった。
蒸気を噴き上げ走行する汽車の先頭車両のその屋根に佇む青年は鬼だ。
薄い浅葱色の双眸は、左に“下壱”、右に“一”と刻まれている。
どこか芝居掛かった仕草で彼は一人語る。
「どんなに強い鬼狩りだって関係ない。人間の原動力は心だ精神だ。
“精神の核”を破壊すればいいんだよ。そうすれば生きる屍だ。殺すのも簡単。
人間の心なんてみんな同じ。硝子細工みたいに脆くて弱いんだから」
鬼の名は魘夢という。
魘夢の浮かべる恍惚とした笑みを、月灯りが照らしていた。