第八話 無限列車
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「うむ!そういう事か!」
煉獄の溌剌とした声が車内へ響く。
「たが知らん!『ヒノカミ神楽』という言葉も初耳だ!君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたいが、この話はこれでお終いだな!!」
「え!?ちょっともう少し……」
「俺の継子になるといい。面倒を見てやろう!」
「待って下さい!そしてどこ見てるんですか!?」
「炎の呼吸は歴史が古い!」
煉獄と炭治郎の会話を聞きながら善逸は、変な人だなという心の声をありありと表情に浮かべて眺めている。
ここまでは予定通り沙羅の知る会話が続く。
「炎と水の剣士はどの時代でも必ず柱に入っていた。炎、水、風、岩、雷が基本の呼吸だ。他の呼吸はそれから枝分かれしてできたもの。霞は風から派生している!!」
沙羅の扱う宵の呼吸もまた風から派生している。
「溝口少年、君の刀は何色だ!」
「!?、俺は竈門ですよ!色は黒です!」
「黒刀か!それはきついな!」
「きついんですかね?」
「黒刀の剣士が柱になったのを見たことがない!さらにはどの系統を極めればいいのかもわからないと聞く!」
会話を聞きながら沙羅は半ば瞼を伏せた。蒼い瞳に憂いの陰がさす。
黒刀は始まりの呼吸ーー日の呼吸の剣士の色だ。
黒刀の剣士が柱になれなかったのは、恐らく継国縁壱を恐れた鬼舞辻無惨と黒死牟により徹底的に狩られたためではないだろうか。
「俺の所で鍛えてあげよう。もう安心だ!」
満足そうに話を終わらせた煉獄を見て、炭治郎がふと微笑んだ。
口には出さないが、“面倒見のいい人だな”と思っているのだろう。
「危ない!馬鹿、この!」
「俺外に出て走るから!!どっちが速いか競走する!!」
「馬鹿にも程があるだろ!!」
走行する汽車の窓を開け身を乗り出してはしゃぐ伊之助を、善逸が必死に取り押さえ、嗜めていると、
「危険だぞ!いつ鬼が出てくるか分からないんだ!」
煉獄が溌剌と口を挟んだ。
煉獄の発言を聞いて、真っ青な顔で善逸が振り返る。
「嘘でしょ鬼出るんですかこの汽車!?」
「出る!」
「出んのかい嫌ァーーーーッ!!鬼の所に移動してるんじゃなくここに出るの嫌ァーーーーッ、俺降りる!」
「短期間のうちにこの汽車で四十人以上の人が行方不明となっている!数名の隊士を送り込んだが全員消息を絶った!だから柱である俺が来た!」
「はァーーーッ、なるほどね!!降ります!!」
真っ青な顔で泣き喚く善逸。
やる時はやる子なのに、平生は相変わらずヘタレなんだから。
概ね漫画やアニメの通りだなと沙羅は密かに苦笑した。
次の瞬間、カラリと車両と車両をつなぐ引き戸が開いた。
「切符……拝見……致します」
俯き加減にぼそぼそと抑揚を欠いた声で車掌が言った。
……ついに来た。沙羅の表情に緊張が走る。
落ち着け、と自身の心に叱咤して、煉獄達が眠りに落ちていく中、沙羅はポーカーフェイスを保って車掌へ切符を手渡した。