第七話 蝶屋敷
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「これより先は、密室を作った人物を真島さんと仮定して話を進めます」
真島はポーカーフェイスで有須沙羅を見つめながら、背に汗が伝うのを感じていた。
まずい……どんどん追い詰められる。
握った拳が手汗で湿る。
「真島さん……貴方は相当に頭がキレる。貴方は初夏さんが樹里さんへ奇妙な差し入れをしていた話を彼から聞いていたそうですね。
嫌な予感に駆られた貴方は、任務を終えて樹里さんのもとへ急いだ。
しかし時既に遅し樹里さんの遺体を発見し、何が起こってしまったのかを瞬時に悟った。
湧き上がったのは初夏さんの裏切りに対する怒りと憎しみ。
……それでも貴方は初夏さんの犯行を隠し、庇う事を選んだ。
恐らく今まで初夏さんと過ごした思い出と、情がそうさせたのでしょう。
貴方は樹里さんの遺体を刺し毒殺を刺殺に偽装した。
しかしこのままではいずれ警察の手に渡り全てが露見してしまう。
出来るだけ早く遺体を処分しないといけない。その方法は、」
有須沙羅はスカートのポケットから小瓶を取り出した。
瓶の中は透明な液体に満たされており、瓶底には蝋状の固体が入っていた。
「小石……?」
「黄燐です。これが夜になると淡く光る焔川の正体です」
「!」
「
真島さん……貴方は私が焔川へ近付くのを止めましたね。貴方は知っていたのではないですか?」
「…………」
「貴方はこれを使って樹里さんの遺体を燃やす事を思いついた。
樹里さんへの弔い、及び証拠隠滅という二つの目的のために」
有須沙羅は壁にベッタリと付着した血液の染みへ目を向けた。
「貴方は遺体の自然発火の不自然さを誤魔化すために、霊障をでっち上げる事にしたんです」
「霊障をでっち上げる……!?」
「木を隠すなら森というわけです」
すかさず食いつく初夏に、有須沙羅は静かな視線を向ける。
「真島さん……貴方は遺体の血液を壁に塗り、部屋全体を施錠して密室を作り上げた」
「どうやって?窓はともかくこの部屋の鍵は鍵束に纏められてキーストッカーに鍵を掛けて保管されてるんだぜ?
仮に密室を完成させたとして、どうやって初夏に目撃されてから五分以内にその場へ駆けつけるんだ?」
「その事についてもこれから説明します」