第一話 誓約
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柱合会議の前に少し時間が出来たので、藤棚の下で沙羅が持たせてくれた朝食を摂ることにした。
あまり食欲はなかったが、体調管理の一環だと思えば仕方がない。
一つ溜息をついて包みを開く。中にはお結びが二つと大きめの玉子焼きが二切れ、大根の浅漬けが入っていた。
別にお結びだけで構わないのにご丁寧な事だ。
そう思いながらお結びを一口齧って、目を見開いた。
「おいしい……」
思わず口に出していてた。それぐらい、美味しかったのだ。
ただのお結びなのに、どうして……。
それは程よく塩気が効いていて、だがそれだけではなくて。ほんのりとした旨味があった。
極ふんわりと握られており、噛めばほろりと解ける。
中の梅干しが丁度良い塩梅だ。
玉子焼きにも出汁の香りがした。ほんのりと甘くて食感もふわふわと柔らかく此方も美味。
添えられていた大根の浅漬けは丁度良い箸休めになっていた。
食欲なんてなかったはずなのに、気が付けばあっという間に全てを平らげていた。
「師範ちゃんと食べてくれたかな……」
一方その頃霞柱邸では少し不安になりながら沙羅がぼやいていた。
生前の沙羅は基本的にお結びはアジシオで握っていた。
しかしこの時代にアジシオなんて便利なものはない。
よって沙羅はここで一工夫。米をほんのりと薄い出汁で炊いてみたのだ。
そして握る前に米をほぐし塩を効かせて中の空気を潰さないよう極ふんわりと握る。
朝食はたんぱく質も大事なので玉子焼きも持たせた。
炭水化物のみはいけない。
昼食はどうしようか。残りのご飯を鮭と大根葉の混ぜご飯にして、大根の皮のきんぴらと豆腐とワカメのお味噌汁にしよう。
身体を作る為にもたんぱく質はこまめに摂取させないと。
夕飯は鮎の塩焼きにしよう。そして無一郎の好物のふろふき大根と、ほうれん草のお浸し、茄子と揚げのお味噌汁。
よし、これでいこう。早々に計画を立てると、沙羅はさっそく鍛練へと赴いた。