FILE:2 彼女のお仕事
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
菫谷女学院。都内で有名な偏差値極高のミッション系の女子校である。
小鳥遊 紫生はそこに通う生徒の一人だ。
因みに菫谷女学院は制服が可愛い事でも有名だった。
特徴はなんと言っても黒のブレザーに濃い目のパープル系チェックのスカート。
今は季節的に黒のベストを着用しているが。
紫生はといえば、第一ボタンを外したブラウスに深紫色のリボンを緩めに引っ掛けて、オーバサイズ気味の黒のベストを着用。
パープル系チェックのミニスカートから伸びるすらりとした美脚を包むのは、黒のニーハイソックスと同じく黒のローファー。
その制服と着こなしは、彼女の持つ透き通るような雰囲気に、酷く似合っていた。
小鳥遊 紫生は学校では少し浮いた存在で、街を歩けば少し目立つ。
職業柄かはたまた元来持つものかは不明だが、少し不思議な存在感を放っていた。
そんな彼女は今絶賛買い出し中だ。
勿論、同居人の為である。
何を隠そう今朝から紫生の家には漫画の世界から、いわゆる逆トリップしてきた漫画のキャラクター、胡蝶しのぶが住み始めたからだ。
ここまで訊くと、ついに気が変が狂ったのかと思われるかもしれない。
しかし断じて気が変になった訳ではない。事実だ。
彼女は大正時代の人である。
令和と大正。どうやってもジェネレーションギャップは避けられないだろうが、なるべくストレスは少なくしてあげたい。
普段着は着物が良いだろう。
そんな訳で呉服屋で着物を購入。
普段着といえば紬らしいけど、どう考えても彼女のイメージには合わないよね。
やっぱり華やかな訪問着にしよう。あの羽織に合うデザインを。
ーーという考えのもと、染の着物と織りの袋帯を選んだ。勿論、小物類も忘れずに。
飲み物は多分緑茶だろうな。
基本的に紅茶派の紫生は日本茶にあまり詳しくないため、スマホで調べて取り敢えず日本茶葉の専門店で煎茶と玉露を選んだ。
茎が少なく、色が濃くて艶のある茶葉を厳選して購入した。
お菓子はやはり和菓子だろうな。
友人のおすすめの勉学堂という和菓子屋で、綺麗な練切と小ぶりなみたらし団子を購入した。
日持ちがしないから、暫く通う事になりそうだな……なんて思いながら。
ご飯は洋食には追々慣れて貰うとして、暫くは和食にしなきゃね。
最後にスーパーマーケットでお買い物。
スマホで彼女の好物を調べる。
生姜の佃煮……?作ったコトないや。
まぁ今はクックパッドとかあるし何とかなるか。
なんてぼんやりと考えながら、紫生は本日の夕食のメニューに思いを馳せた。