FILE:1 出逢い
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時系列で言えば、胡蝶しのぶがこの世界へ来たのは童磨戦の後の話らしかった。
つまり死後、だ。
………だとすれば、漫画の世界だの何だのと余計な事を話すより、単純にタイムスリップした事にしてしまった方が、話が早いのではないだろうか。
特に、今は。彼女は混乱している。
漫画の事は追々、折を見て話すとしよう。
そう考えた紫生は、慎重に口を開いた。
「しのぶさん。貴女の生きていた時代の年号を聞いてもいい?」
「大正です」
「そっか。落ち着いて聞いてね?大正元年ってね、今から少なくとも約110年くらい前の時代なんだよね」
「………え?」
「今の年号は令和」
「令和………」
「つまり貴女は今、約100年後の未来の世界にいるって事」
「………!」
「貴女達が有名なのは、貴女達が鬼を倒した英雄だからだよ」
「では、この世界に鬼は………もういないのですね?」
「うん。そうだよ。貴女達が戦ってくれたお掛けで、ね」
「………そうですか。よかった」
どうやら納得して貰えたようだ。
「それでさ、しのぶさんはこれからどうするの?」
「そうですね……宿屋のようなものはありますか?」
「んー。あるにはあるけど………大正と令和では通貨も違うから、無理かも」
「まぁ。そうなのですか?それは困りました」
「よかったら、このままウチに住まない?」
「え?」
「ほら、今の平和があるのって貴女達が命を掛けて戦ってくれたお陰だし。恩返しさせてよ」
流石に目を見開いて驚いているしのぶの様子を可愛らしく思いながら、紫生はそっと今は亡き父親に想いを馳せる。
これでいいんだよね、パパーーー
きっと、亡き父親ならこの少女に手を差し伸べる筈だから。
〜To be continued〜
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次回 FILE∶2 彼女のお仕事
しのぶさんとの同居開始。
しのぶさんから見たヒロインの印象。