FILE:3 反撃の微笑み
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「………だから言ったじゃねぇか。お前さんは甘えんだよ」
「………っ」
「分かったか?これが経験値の差って奴だ」
ギリリと摑まれた手首を絞られて、白い手からナイフが滑り落ちた。
カラン、カランーー!
薄暗い倉庫内に澄んだ金属音が響く。
「戦略は悪く無かったがな。撃ち合いに競り負けてみせたのはわざとだろ。俺が油断した所を喉元目掛けてナイフで一突きって訳だ。だが残念だったな。俺は油断なんてしねぇんだよ」
ニタニタと勝ち誇ったように笑いながら、男は片手で澪羽の首を締め上げるように宙吊りにした。
ーーー次の瞬間だった。
「わぁ、凄い自信ですね。でも油断はいけませんよ?」
ふわり、と男の背後から藤の花の香りがした。
「現に今、私に背後を取られてますよね?」
「なっ……」
驚愕に目を見開いたのは男だけではない。
澪羽もだった。
「し……っ」
しのぶさん!?……が、どうして此処に……。
まさか敵の前で名前を出す訳にもいかないので、寸での処で言葉を呑み込む。
「こんばんは。今日は月が綺麗ですね。………それと」
そこで一旦言葉を区切り、しのぶは陰影の濃い笑みを浮かべ。
「その方は私の恩人なんです。汚い手で触らないで貰えます?」
チャキ……、と刀を構えた。
「………何だか知らねぇが、お嬢ちゃんには関係ねぇこった。引っ込んでな」
警告を無視して男が拳銃を澪羽の額に押し当てる。
ぴくり、としのぶの指先が僅かに揺れた。
「これは最後通告です。その方を放して下さい」
白面に浮かぶ柔和な笑みとは対照的に、その瞳は冷え切った光を孕んでいて。
澪羽はぞくりと身を震わせた。
だがしのぶに背を向けた男は気付かない。
「死ね!!」
男が引き金を引こうとした、その瞬間。
「がっ……!」
銛のような独特な形状の刀が、澪羽を捕らえていた男の手のみを貫いた。
あと数ミリでもズレていれば、澪羽の首を傷付けていた。
見事な剣技だった。
「……っ、この女っ!!」
はっと我に返った澪羽は着地と同時に跳躍。身を反転させ落ちていた拳銃を素早く拾い発砲。
銃弾は今正に引き金を引こうとしていた男の人差し指を吹き飛ばした。
「ぎゃっ!!指がぁっ!!……俺の、指……っ」
激痛に発狂していた男が我に返る。
澪羽の不自然な目線を追って、男も上空を見上げた。