FILE:3 反撃の微笑み
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都内からは少し外れた海沿いの廃倉庫。
建物の中は薄暗く、黴臭く淀んだ空気に混じる硝煙の臭い。
時折薄闇を引き裂くように散る拳銃の火花。
その真っ只中に小鳥遊 紫生こと、澤井 澪羽はいた。
コンテナの影に身を隠し、澪羽は息を潜めて瞳を閉じる。その耳を澄ませる。
ーーカチリ。
鋭敏になった聴覚が、目的の音を捉えた。
と、同時に拳銃を構え銃弾を二発、発砲。
薄闇に再び轟音と火花が散る。
男が二人、一人はその場で。もう一人は階段を転がり倒れ伏した。
「SHIT!!(クソッタレ)」
更にもう一人。物影から飛び出した男が銃を構える。
だが、遅い。既に発砲していた澪羽の銃弾が、男の拳銃の銃身に飛び込み、男の手中で銃が暴発する。
すかさず澪羽は男の右肩と左脚を撃ち抜いた。
「な………なぜ、俺達の居場所が分かった………」
「………………」
「くそっ………」
男が完全に戦意喪失したのを見届けると、澪羽は身を翻した。その時だった。
パチパチパチパチ………。この場に似つかわしくない軽快な拍手の音が響く。
「撃鉄を起こす音、引き金を引く音。それらで相手の位置を割り出し瞬時に攻撃、か。………やるじゃねぇか。
、、、
二代目ブルーバード」
暗がりから一人の外国人の男が姿を現した。
、、
「だが、まだまだ甘いねェ。初代なら俺が出てきた瞬間に、眉間をドン!だ」
男はニタニタと嫌な笑みを浮かべながら自らの頭を指差した。
「…………四人掛かりで決闘だなんて。最低な男」
「まぁそう言うなよ。俺は知りたかっただけさ。お前さんが………」
「私が?」
「あの初代が……あれ程の男が、果たして命を掛けて守るに値したのかって事をね」
「………………」
表情のない白い顔。仄暗い瞳が男を見据える。
「さぁ、銃を構えな。ここからが本番だ!」
言うが早いか男が拳銃を構える。澪羽もそれに応戦する。だがーー
ガゥンーー!
カラカラカラ、澪羽の手から弾かれた銃が回転しながら床を滑っていく。
チッ、と小さく舌打ちする澪羽。
「これで終わりだ!」
「それはどうかしら?」
再び銃を構えた男の目の前に、しかし澪羽は既にいない。
男がハッと気づいた時には既に懐に飛び込んでいて。
薄闇に銀閃が走っていた。