最終章-後編-
ぴくんと指先が動いた。
「……う」
小さく呻いて重い瞼を持ち上げる。
霞んだ景色の中に。共に戦った仲間たちの姿は見つからず。ゆっくりと瞼を瞑ったがもう一度開くと体を引きずるようにして起こした。それだけにも関わらず体の節々が悲鳴を上げて探し回るような体力も残されていない。
「げほ、」
咳き込む声にハッとして振り向いた。
「……ミカゲ!」
「パックマン……で、御座るか……?」
彼もまた──生きていた。
「うぅ」
次々と随所で呻き声が上がる。
霞んでいた景色がはっきりしてくるとそこには確かに共に戦った仲間たちの姿があった。誰も皆深手を負ってすぐに立ち上がれるような状態ではなかったが無事だったのだ。
確かに。
「、あれ」
未来は変えられ、
「……隊長?」
見当たらない。
「まさか」
「縁起でもないこと言うなよ」
口の中が乾いていく。
「あの時」
ハルが呟いた。
「一番近かったのは隊長だよね」